内容説明
歴史、経済、小説、風俗、鉄道…現代の諸問題をどう考えるか。最先端の知性が贈る白熱対談90分×10回。
目次
歴史の尻尾を手繰りよせる(佐野眞一×原武史)
なぜ学ばなければならないのか(佐藤優×原武史)
思想がつくるものと企業がつくるもの(辻井喬×原武史)
言葉で人を動かす(東浩紀×高橋源一郎)
自分の中の近現代史(赤坂真理×原武史)
小説と経験(奥泉光×原武史)
「自由」を改めて問い直す(大澤真幸×永澤佳祐)
真実の追究は徹底的に(井上章一×竹尾茂樹)
歴史認識をひらく知見(小熊英二×高橋源一郎)
番外編 鉄道漫談(中川家礼二×原武史)
著者等紹介
原武史[ハラタケシ]
1962年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社、昭和天皇の最晩年を取材。東京大学大学院博士課程中退。現在、明治学院大学国際学部教授・同付属研究所所長。専攻は日本政治思想史。著書に、『昭和天皇』(岩波新書、司馬遼太郎賞)、『滝山コミューン一九七四』(講談社、講談社ノンフィクション賞)、『鉄道ひとつばなし』(講談社現代新書)、『増補 皇居前広場』(ちくま学芸文庫)、『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社選書メチエ、サントリー学芸賞)、『大正天皇』(朝日選書、毎日出版文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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寛生
48
【図書館】高橋源一郎が大江健三郎と村上春樹の「最後に依拠する何か」という声としての「根本的な論理性」についての言及に僕も想いを巡らす。つぶやきでは批判した奥泉だが、「おこがましいことかもしれないが」といい、「死者の声を聞いて代弁する」のが小説ではないかという。一番印象的な対話は大澤と永澤。障害物のようにさえ思われる〈他者〉との関係の中にこそ自由があり、「〈他者〉がいなければ、〈自由〉はあり得ない」(188)と。そして、「偶有性と必然性が最もクリティカルにでてくる」恋に落ちる瞬間についての展開が素晴しい。2014/12/09
とろこ
6
ちょっと思っていたのと違った… といえば聞こえはいいけれど、要はわたしがついていけませんでした涙 読みやすいはずの対談形式だけど、むつかしい内容だと逆にわかりにくいのだろうか。聴衆(読者)に伝えようとするより「語ってる感」が強いというか… そんな中、一人異色な中川家礼二はやっぱりおもしろい!普段から人を相手にしているというのを紙面越しにも感じる。 うーむ。とりあえず、もっと勉強します。2013/05/16
いのふみ
1
硬軟取り混ぜた多岐にわたる学問分野や、いわゆる「学問」の周辺にあるような学問分野までが、最先端の内容で、地域に、社会に向けて開かれてゆく。大学がこういう役割のしっかり機能している場所であってほしい。2015/05/05
太刀河 抹茶
1
日本の近代政治思想史という個人的にも興味ある地平から、鉄道までを語る原武史を中心とした座談。赤坂真理、佐藤優、大澤真幸、中川家礼二あたりは特に面白かった。けど、やはり注目は辻井喬のくだり。原武史自身、西武沿線出身ということもあり、鉄道事業には直接関わっていないものの、辻井喬が形成したセゾングループという事業者視点で、西武と東急の対置しての語りが良かった。やはり、横浜へ向かうか、所沢に向かうか、自ずとカルチャーも収益力も、変わるよね、というあたり。2014/08/03
橘 劫
1
高橋源一郎先生の対談を見たかったという気持ちで読みましたが、途中の井上章一先生の対談が面白かった2014/07/20