なぜ経済予測は間違えるのか？―科学で問い直す経済学

オレル，デイヴィッド【著】〈Ｏｒｒｅｌｌ，Ｄａｖｉｄ〉/松浦 俊輔【訳】

河出書房新社（2011/02発売）

• サイズ B6判／ページ数 315p／高さ 20cm
• 商品コード 9784309245416
• NDC分類 331.19
• Cコード C0033

出版社内容情報

経済学の規範となっている数学・物理学・生物学の理論を通して、予測の不合理さと可能性を見出す。エコノミストからは教えてもらえない、経済の不合理さを乗り越える新たな見方を提案する。

内容説明

格差は「宇宙の法則」から、消費は「蒸気機関のしくみ」から…世界の動きは、すべて科学の法則で読みとける！気鋭の数学者による、今までにない経済の見通し方。

目次

第１章　「ニュートン力学」で読む経済法則―経済は数学で表せると思ってはいけない
第２章　「ブラウン運動」で読む人の動き―群集心理が無視できない理由
第３章　「つりあい」で読む市場―「見えざる手」は信用できない
第４章　「パスカルの三角形」で読む価格変動―リスクモデルのリスクを知る
第５章　「無理数」で読むホモ・エコノミクス―効率では割り切れない
第６章　「陰陽原理」で読む経営―男女不均衡が与える悪影響
第７章　「対称性」で読む経済格差―金持ちしか儲からない世界を変える
第８章　「ミツバチ」で読む経済成長―成長し続けるという誤解
第９章　「比較の心理」で読む豊かさと幸福―お金と幸せの奇妙な関係
第１０章　「ファジイな倫理」抜きでは読めない経済―新しい経済学へ

著者等紹介

オレル，デイヴィッド［オレル，デイヴィッド］［Ｏｒｒｅｌｌ，Ｄａｖｉｄ］
１９６２年生まれ。カナダ出身・英国在住の数学者。サイエンスライターとして、『ニュー・サイエンティスト』、『フィナンシャル・タイムズ』などの紙誌に寄稿。応用数学やシステム生物学を専門とし、オックスフォード大学より博士号（数学）を取得

松浦俊輔［マツウラシュンスケ］
１９５６年生まれ。翻訳者（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[しゅー]

★★★『中小企業診断士のための経済学入門』を読み、試験のための単純化は仕方がないとは言え「需要・供給曲線だけでこんなに経済が割り切れたら苦労ないよな〜」と思った。しかし同書で推薦図書にあがっていた本書は、その割り切れない気持ちに応えてくれる。そもそも従来の経済学は自然科学、特に物理学への憧れが根本にあった。数式で武装し、グラフで飾り、「科学」であることを何とか証明しようとしてきたのである。本書はそんな経済学に対して数学・物理学・生物学の新しい知見からツッコミを入れていく。経済学の未来はどうなるのだろうか。

2024/01/10

[nchiba]

経済学は自然科学とは違うのにあたかも同じように抽象の世界で扱おうするのはとんでもない誤りだ。工学のように扱うなら厳しい評価と規制が必要。儲けるために似非科学のようなやり方をするのはもうやめなければならないのだな。

2011/10/25

[turtle]

この手の本ではとても読みにくく、流し読み。数々のシカゴ学派が受賞した「ノーベル経済学賞」なるものと、いわゆる「ノーベル賞」が別物であることを教えてもらったことは発見でした。　確かにあれだけ大失敗した学者たちにノーベル賞を与えたのでは、ノーベルの名が廃ります。

2011/05/16

[メルセ・ひすい]

15-115「ニュートン力学」で読む経済法則　「ブラウン運動」で読む人の動き　「つりあい」で読む市場　「無理数」で読むホモ･エコノミクス「陰陽原理」で読む経営　「対称性」で読む経済格差　「ミツバチ」で読む経済成長　「比較の心理」で読む豊かさと幸福　「ファジイな倫理」抜きでは読めない経済　経済学の規範となっている数学・物理学・生物学の理論を通して、予測の不合理さと可能性を見出す。エコノミストからは教えてもらえない、経済の不合理さを乗り越える新たな見方を提案する。

2011/04/17

[Masahiro Fujioka]

★★★★☆ ・経済法則あり→誤解 ・経済は不公平、富裕層はますます金持ちに ・経済は不安定、持続不可能 ・「見えざる手」は信用できない ・×専門家に頼る、計算が正確 ・金銭はコカインと同じ ・夢→抽象的な金融の言葉に変え、小口に分けてバラバラにして高く売る ・売る方法→最大のリスクを言う→引き受ける方法を言う ・CEOの報酬が高くなる→グローバル化 ・成長し続けるという誤解 ・金銭と幸福、全くの別次元 ・腕も重要、運も重要

2012/09/30