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内容説明
ネット社会とリアル社会の軋轢、マスメディアの没落、多様化せず格差が拡大する社会、最新の科学技術に踊らされる人々…高度情報化社会の中で私たちが「殺し」「忘れ」去った数々の事象に気鋭のジャーナリストがズバリ切り込む社会評論集。
目次
はじめに 殺して忘れる社会
第1章 ネットのルールと街の掟
第2章 マスメディアの没落、ジャーナリズムの黄昏
第3章 多様化せず、格差化する社会
第4章 リスク社会を生きる
第5章 新たな「核論」のために
第6章 テクノロジーに飼い慣らされないために
著者等紹介
武田徹[タケダトオル]
1958年生まれ。評論家、ジャーナリスト、恵泉女学園大学人文学部教授。国際基督教大学卒。同大学院比較文化研究科修了。在学中より『週刊文春』『諸君!』等に評論・書評などを執筆。2000年には『流行人類学クロニクル』でサントリー学芸賞社会・風俗部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネロリ
3
新聞連載コラムを纏めた本書を読んで、見知った事象が批評的に検証された時、自分がどれだけ情報の上辺しかなぞっていないのかを知った。『殺して忘れる』は、大衆の、事象に対する無関心や実感の無さが生むもの。情報を“今”だけで捉えるのではなく、歴史の一部とした上で自分の事として受け止める事の必要性を前に、不勉強な自分を恥ずかしく思った。それと、コミック版のナウシカを読まなくちゃ。2010/12/30
Sada
1
情報化が進み他者の存在が軽くなっている、家族から国家単位まで押し寄せるコワサに立ちすくみました。時間をかけて許し、育てることができなくなった社会では、多様な人間性も育めないと思いました。高度情報化が進むほど情報統制が行いやすいという指摘にはビックリしました。確かに政治家を含めた各種言論は、のっぺりしていて単調な気がします。本書はいろいろなエッセーの集まりですが、デジタルカメラが殺して忘れる装置になる、といった指摘にはジャ-ナリストとしての気概を感じました。2011/08/14
kozawa
1
書名の通りの内容だとは思わない方がいいような。ゼロ年代に著者が書いた産経新聞大阪夕刊の現代社会コラム集。おいおいってな論もたくさんあるが、まぁ、面白いこと言うなってものもないことはないから、まぁそんなもんと思って読む分にはいいかも2011/04/26
文月煉
1
現代が、人の痛みをリアルに感じられないが故に、誰かターゲットになった人を徹底的に責めて(社会的に)殺し、しかもその事実をあっという間に忘れる、「殺して忘れる」社会であるという考察はとても興味深い。 ただ、中身はすでにある社説をまとめただけのものだから、論理の一貫性に乏しいし、全体としては問題を提起するだけで終わってしまっているのが惜しい。2011/01/14
キミ兄
0
ジャーナリズムに対する冷静な分析。☆☆☆☆☆。2011/08/01