確信する脳―「知っている」とはどういうことか

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309245232
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0011

内容説明

人はなぜ「知ってるつもり」になるのか?記憶ちがいから、幻覚・幻聴、プラセボ効果、デジャヴュ、共感覚、神秘体験や原理主義まで―意識と感覚をめぐる謎のあいだを縦横無尽に駆けまわり、脳の限界と可能性を問い直す、知的冒険の書。

目次

「知っている」という感覚
人はどのようにものを知るか
意志で確信はできない
心の状態の分類
ニューラル・ネットワーク
モジュール性と創発
思考はいつ始まるのか
知覚的思考
思考の快感
遺伝子と思考
思考を支える感覚
確信の二本の柱―合理性と客観性
信仰
心が生み出す哲学的難問
結論

著者等紹介

バートン,ロバート・A.[バートン,ロバートA.][Burton,Robert A.]
医学博士。イェール大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)医学部卒。UCSFで神経科レジデンシーを修了。33歳でマウント・ザイオン・UCSF病院の神経科主任に就任。その後、神経科学部の副部長を務める。神経学以外の著作として、評価の高い小説が3冊ある。カリフォルニア州ソーサリート在住

岩坂彰[イワサカアキラ]
1958年生まれ。京都大学文学部哲学科卒。編集者を経て翻訳者に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koichiro Minematsu

45
人はなぜ「知ってるつもり」になるのか? 神経科学の医学博士による書。 さまざまな研究から裏付けられている。答えは人が自分の脳のことを知らないから。2022/03/06

GASHOW

7
知っていると自分で思うことと報酬系の関りを明らかにしている。人の脳はまっさらな状態で生まれてくる。幼少期にヒトから学ぶ。学ぶことがつらいだけならだれもしないが、快感につながる仕組みがある、それが報酬系だ。テストの点を評価することは、答えのある問題の解答をする報酬を強化することになる。そうした人は、答えのない問題への取り組みをしなくなるだろう。答えの正解率が高いことに報酬をあたえる官僚制度では、答えのない問題への対応能力がある人が重要なポジションにいられない。2017/03/03

_apojun_

5
図書館本。「知っているとはどういうことか」と脳科学的に考えてみた、という内容。知識と確信はどう違うのか。「知識」はないのになぜ知っているのか、という改めて聞かれると「うっ」となってしまいそうなことがしっかりと脳科学の見地から教えてくれる。後半の知識と宗教の関わりなんかはなるほど、と思わせてくれる。 この本の面白いところは脳の働きをニューラルネットワーク(AIの分野で出てくる方)に例えているところ。逆輸入みたいで「お!」と思ったけど、私にはこの例えがとてもわかりやすかった。2021/03/27

ひろポニョ

5
著者に100%共感。でもこの「その通り!」という感覚は、自分で信じてるほど確かな根拠はないという話か。科学と宗教の対話の不可能性も問題だが、それよりも自由意思についての方が気になる。人が何か決断実行する際、意識に上ってくるときには選択肢は刈り込まれているし、その選択にも既にバイアスがかかっていたら完全に環境依存。思考にしても、心の中のおしゃべりはどう考えても自分で意図せず続いてるし止められないし、、、自由意思が錯覚なら「誰(何)」が確信したり信じたりしているのか?自己感て不思議。ウロボロスの蛇。2013/07/01

Uzundk

4
私達は自分が理性的な判断が出来、感情を抑え、合理を追求できると思っている。では私達が"合理的に感じる"と言う判断ははたして合理的なのだろうか? この本は合理性を感じる感情の元である「既視感」が記憶によるものでは無く一時的な感情の一つ出あることを神経学の視点から明らかにし、合理の確信がいわゆる信仰というものと同じ働きから生まれている事を語る。良い悪いではなくそういう風に出来ている。現実と自身の確信の齟齬がでたときに確信を疑い、不確実という不快感を受け止める態度が必要なのだ。2015/12/24

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