なぜあの人はあやまちを認めないのか―言い訳と自己正当化の心理学

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309244709
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0011

内容説明

「これくらいはいいだろう…」自分自身に言い訳した途端、悲劇は始まる。日常的な出来事から、夫婦間の言い争い、政治家の言動、嘘の記憶や冤罪まで―誰もが陥りがちな自己正当化の心理メカニズムを、豊富な実例を交えながら平易に解説。

目次

はじめに あやまち、失敗、偽善に嘘―人はどうやって自分と折り合いをつけるのか
第1章 心の不協和音―自己正当化の原動力
第2章 高慢と偏見、そして盲点―自分では見えないものについて
第3章 記憶―自分勝手な歴史家
第4章 善意の大いなるあやまち―心理療法の閉じた輪
第5章 犯罪と捜査と裁判をめぐる迷走―冤罪はなぜ生まれるのか
第6章 愛を殺すもの―結婚生活における自己正当化
第7章 諍い、争い、そして戦い―怒りと暴力について
第8章 あやまちを認めるということ―不協和とともに生きてゆく

著者等紹介

タヴリス,キャロル[タヴリス,キャロル][Tavris,Carol]
社会心理学者。『ニューヨークタイムズ』『ロサンゼルスタイムズ』をはじめ、多くの新聞・雑誌に論説や書評を執筆する一方、専門家やビジネス界のトップ、学生など多岐にわたる人々に向けた講演活動も精力的に行なっている。ロサンゼルス在住

アロンソン,エリオット[アロンソン,エリオット][Aronson,Elliot]
国際的に著名な社会心理学者。研究、教育、執筆の分野で数多くの賞を受賞している。対人関係からメディアの影響まで「社会的動物」としての人間のユニークさを追究。サンタクルス在住

戸根由紀恵[トネユキエ]
翻訳家。上智大学英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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abekinu

7
あやまちを認めない人にどうやって説得するのかというような本かと思ったが、自己正当化はどうして起こってしまうのかという理由を心理学の面から分析した本。例は国家や検察官など大きなものを動かすものが多く、アメリカ的な考え方が多かった。文化の異なる日本人にも当てはまるところはあるが、歴史が違うしまた違う解釈も出てくるだろう。日本版があったら読みたい。2015/03/15

まさや

5
ものを買おうとしている時は、買った人は買った理由を認知的不強化により正当化している可能性があるので、どれを買おうかと情報を集めている最中の人に聞いたほうがいいそうですよ。2022/03/26

バナナフィッシュ。

5
これは机の上の特等席に貼り付けておきたい良作。あやまちを認めるのは誰にとっても痛手だ。自らを傷つける行為なんて誰もしたくない。可愛いのは私であり、悪いのはあなたなのだ。でも凝り固まった頭を少しでも割いたならわかるはず。相手も相手で私のことを猿で無能だと考えているということを。誰も自分ことを愚鈍だとは考えてない。私がすべきなのは相手の立場に立つという、お気楽思考移転ではなく、実際の行動なのだ。明日はもうちょっとあいつに優しくしてやろう。それが無理なら行為と人格を別に考えてやろう。それができなきゃ私はクズだ。2017/12/28

hiyu

4
認知的不協和、自己正当化がこれでもかを示されている。自身の振り返りをすると恥じ入る気持ちになる。ただし、事例は海外のものであり、日本人に直ちに置き換えてよいものか悩むことも正直あった。これこそまさにバイアスに陥っているのかもしれないが。2022/12/08

GASHOW

4
清廉潔白な人とアウトローの人も判断の積み重ねによって方向付けが決まる。ルールを厳格に守る人は、無慈悲になってゆく。ルールを破る人は逸脱してしまう。役所の人が冷たいのも政治家が嘘つきなのもこれでわかる。自己肯定感が低いと評価されることにも落ち着かない、素晴らしい人と出会っても、幸せも受け入れらないという自己正当化が行われる。これらは認知的不協和の解消という効果だ。ダメ男で人生を狂わしてしまう女性などはその一例だ。人の脳のクセについて示唆に富む本だった。2017/10/20

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