服従の心理

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309244549
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0011

出版社内容情報

ふつうの人の心には〈悪〉がひそむのか? 権威のもとでは信じられないほど残酷なことを誰もがやってしまう――それを実証し世界を震撼させた、通称アイヒマン実験。心理学史上に燦然と輝く名著、山形浩生による新訳決定版!

内容説明

人間の隠された本性を科学的に実証し世界を震撼させた通称“アイヒマン実験”―その衝撃の実験報告。心理学史上に輝く名著・待望の新訳版。

目次

服従のジレンマ
検討方法
予想される行動
被害者との近接性
権威に直面した個人
さらなる変種やコントロール
役割の入れ替え
集団効果
なぜ服従するのかの分析
服従のプロセス―分析を実験に適用する
緊張と非服従
別の理論―攻撃性がカギなのだろうか?
手法上の問題
エピローグ

著者等紹介

ミルグラム,スタンレー[ミルグラム,スタンレー][Milgram,Stanley]
1933年、ニューヨーク生まれ。社会心理学者。ハーバード大学で社会心理学博士号を取得の後、エール大学、ハーバード大学、ニューヨーク市立大学大学院で教鞭を執る。服従実験、通称アイヒマン実験の業績でアメリカ科学振興協会より社会心理学賞を受賞。その実験成果を詳細にまとめた『服従の心理』は世界的な反響を呼んだ。服従実験の他、ソーシャルネットワーク理論の先駆となったスモールワールド実験など数々の有名な実験を行なった。84年没

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年、東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。大手シンクタンクに開発コンサルタントとして勤務の一方、経済、文化、コンピュータなど幅広い分野で執筆、翻訳を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koichiro Minematsu

52
ウクライナ侵攻のいま、読んでみた。本著の何たるかは説明するまでもない通称アイヒマン実験についての報告である。実験から見えてくるのは服従の心理的プロセスが、ナチスでの残虐性に限ったことではなく、温厚で健全な心の人にも服従に支配されると自ら解放できない困難さをもっていることを裏付けていることだ。人の心の本質がよく知れる書である。2022/05/02

磁石

26
コレが人間の本性、なんて言うには少々母数が足りない気がする。哲学的命題と同じように、実験そのものに悪意を誘導する問題があるので、「そもそも参加しなかった/事前に断った人」も含める必要がある。従来の実験対象には含まれないだろう人も数に含めないといけない。この手の問題の正答が「答える必要のない当たり前のこと」である以上、答えさせられる立場に立たされてしまったことが既に問題。……なのではあるけど、現実の私たちはソコにいる/生まれた瞬間からソコにいた。身を切らなければ自由は手に入らない。2017/04/10

磁石

16
自分(加害者)と相手(被害者)と権威。この『三位一体』の枠組みで考えてしまうと、権威の意向がほぼ全てを決定してしまう、その権威ですら構造維持を大義名分/に雁字搦めになって自由でない。だからこの、黒魔術のような心理構造体を解くには外に目を向ける必要がある、第四視点。神様や皆の意見や爆弾のような権威の強化版ではなく、今の自分たちそのものを成り立たせている無言の場、ソレを含めた『四位一体』の考えが必要不可欠。そんな見えず聞こえず触れもしないものモノは無い、と錯覚させるのが服従の魔術の根幹だろう2017/05/16

きいち

16
本当に恐ろしかったのは、自分の服従を正当化するために、無実の「学習者」に責任を寄せる人の存在。そして、ここから導き出されるのは、自分も環境によってはそうなりうる、という自分の不確かさ。…自分が信用できないからこそ、複数の権威を使い分けられるようにしたり、1つの環境に取り囲まれないようにしたり、戦略的に動いていかないといけない、ということだと肝に銘じさせられる一冊だった。大津の事件にせよ、誰かを責めればいいってもんじゃないんだ、皆が当事者なのだから。それにしても、山形の蛇足はすばらしかった。2012/07/16

Miyako Hongo

15
前半は一つの実験とそのバリエーションに関するレポートが延々続く。退屈この上ないが、その意味するところはどんなホラーも尻まくって逃げるレベル。人間の皮剥いでそこにある原罪をひょいと取り出して見せた本。ぜひ読めとお勧めはしないが(読むのしんどいのよ)、この実験の結果だけは一般常識として知っとくべきと思う。 どっかの掲示板で『アメリカ人は自分でモノ考えない奴の集団が怖いんだ』てなコトを読んだが、社畜国家ニッポンが恐いと思われても当然かも知れない。 通勤中に読むには激しく向かない、てか、絶対避けるべき。2014/06/05

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