シリーズ・道徳の系譜
後悔と自責の哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 180p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309243757
  • NDC分類 104
  • Cコード C0010

出版社内容情報

ひとはなぜ後悔するのか?
誰もが日々くりかえす後悔から、自由、偶然、運命などのテーマに、あっと驚く角度で挑み、人生の様々な秘密を哲学する、この著者でなければ書けない待望の一冊。

内容説明

誰もが日々かみしめる、苦く辛い経験の中から意図、偶然、運命、同情などの真実のすがたと「哲学すること」の本質へせまる。

目次

A 後悔(意図的行為に対する後悔;非意図的行為に対する後悔;後悔と偶然;後悔と運命)
B 自責(苦しみあえいでいる人に対する自責)

著者等紹介

中島義道[ナカジマヨシミチ]
1946年福岡県生まれ。東京大学教養学部・法学部卒業。同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部哲学科修了。哲学博士。電気通信大学人間コミュニケーション学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

30
久々に中島義道を読みました。後悔と自責の違い。そのメカニズム。自分自身の選択を、歩んだ道を後悔する必要はない。後悔は過去に別の選択ができたと勘違いしてしまう偽りの自由であり徹頭徹尾己の甘い苦しみのための自慰行為でしかない。ただ自分の関わっていない他者が背負った重荷を目の当たりにしたときに「何故私ではなく彼があの重荷を引き受けてくれたのだろう」と自責の念で苦しむことは忘れずにいたい。自分が不自由なく生きていることの後ろめたさに、その苦しみに押し潰されろ。2019/01/04

amanon

7
タイトルからして、まさに著者がいかに後悔に塗れた人生を送ってきたかを綴ったエッセイだと思ったのだけれど、実は結構硬質な哲学書だった(苦笑)。正直、少なからず未消化な箇所もあったが、概ね興味深く読めたか。ただ、偶然についての考察にはちょっと突っ込みたくなったが。それと、いかにも世を拗ねたようなスタンスを取りながらも、「この人やっぱりいい人かも?」という印象は拭えず(苦笑)。後、気になったのが「ですます」調と「である」調の文体を併用しているところ。著者が考えなしにそのようなことをするわけはないと思うが…2021/11/08

ほしの

3
「なんで、私ではなくこの人が」という問い(妬みではない)、この問いにこだわり続けること。著者が見た空港での盲目の母親とその子供の話に打たれる。2017/08/02

エンピツ地獄

2
一回限りの出来事Aなら後悔しようがないが、言語に抽象化された同一のものBとして反復が可能になれば、後悔するの当たり前。でも死の欲動だのの飛び道具なしに、選択の自由が遡及的に過去から見出されたものでしかなく、この偽りの自由が後悔を再生産することを、優しく諭してくれる。Bに相当する永劫回帰の側にいながら、本来的なAを生きることであるニーチェの不可能な「運命愛」が、Bの側で「よりによってなぜ私が」といった不毛な問いを問う私たちの裏から接近!という卓見。このAとBとの二重の接点に、俺のような報われぬ他者が。2015/08/23

ががが

2
別の本で、したことが避けがたいのであれば後悔などするはずがない、みたいな旨のことが書いてあって、それ以来後悔というのは、なんとなく「自由」と密接に関係していることを予感していた。「そうしないこともできた」という強い確信から後悔は生ずる、たとえ現実的に避けて通ることが難しくても「あんなことしなければ」と苦悩する。我々が普段使う「偶然」や「運命」といった言葉も分析しながら、後悔と自責について哲学的にそのメカニズムを探っていく。著者が具体的な事例を挙げて行くので高度な観念を導入されても分かりやすかった。2014/08/18

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