ジジェク自身によるジジェク

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 243p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309243313
  • NDC分類 139
  • Cコード C0010

内容説明

不可能に賭ける最も危険な思想家が、その生と思想の核心を平明に語る―ジジェクへの入門と横断のための最良のガイド。

目次

序 不可能なものに賭けてみる(グリン・デイリー)
1 哲学のスペースを開く
2 理性という狂気―“現実界”のようなものとの遭遇
3 モダニティの主体―潜在性と“現実界”の脆弱性
4 寛容と不寛容なもの―享楽、倫理そして出来事
5 奇跡は本当に起こる―(複数の)グローバリゼーションと政治

著者等紹介

清水知子[シミズトモコ]
共著に『文化の実践、文化の研究』(せりか書房、2004年)、『越える文化・交錯する境界』(山川出版社、2004年)、訳書に、ディヴィッド・ライアン『9.11以後の監視』(明石書店、2004年)、スラヴォイ・ジジェク『全体主義』(青土社、2002年、共訳)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chanvesa

29
「快楽主義的な『末人』的態度(149頁)の「現実であることを抜きにして現実として経験される」仮想現実への違和感。危険は排除されているが、何かが鬱積していく社会(カフェインレス珈琲)。直接的に本書で繋がらないが、この問題と社会に潜む凶暴さと暴力の捌け口の問題は、私の中ではリンクする。「私たちがますますもって必要としているのは、私たち自身に対するある種の暴力性なのだということです。」(170頁)暴力が隠蔽され、何かに代用される程に、社会の狂暴性が増していくというパラドックスへのラディカルな回答である気がする。2017/04/23

あなた

7
私はジジェクの、あえていかがわしさを引き受けることでそのシステムの内部の外部を発見し、そこからシステムを掘り返していくスタイルが好きなのだが、彼が、レヴィ=ストロースのことばをひいて、2番目の職業につくことがしあわせなのです、と語りだしたところなんかは、システム内の外部=他者=現実界にこそ「自分」はいるのだというジジェクらしい語りだなあと思いながら読んだ。現実界は不可能性ではなく、遭遇するものとしてあるとジジェクがいうときに、セックスしながらジジェクのことを考えるひとは多いように思うし、あえてそうしたい2009/07/20

じょに

5
<現実界>の刷新。ボロメオの輪は相互に上にある。つまり現実的な現実界・象徴的な現実界・想像的な現実界…があるんだと。現実界とは外部にある「象徴化できない何ものか」ではなく「必ずしも敵対性(ラクラウ・ムフ)という見かけをとって出現する」とは限らない。寧ろ「あらゆる物象化を避け」なければならない。現実界は「象徴化を通して空間自体が屈曲」することによる「何らかの実定的な実体によって生じているという幻想」であり「内在的なもの」である。「不可能性はまさしく象徴空間の条件として生みだされている(p.112らへん)」2009/03/06

esehara shigeo

3
ジジェクは言ってしまえば極左思想家なのだが、今読み返してみると「アルファなんちゃらがバズりそうなことを必死で考えて、それを書いている」みたいなイメージになって思わず笑顔。そりゃその筈で、ジジェクは何よりもまず運動家なのだから、その言葉はアジテーションだ。だから最も、人を束ねやすく、感染しやすく、動かしやすい道具であるのがラカンだと直感的に理解したに違いない。ジジェクを読めば、世界についてバッサリと切れる言葉が溢れるように出てくる。それがジジェクを読む享楽の根源であり、また怖さでもある。2019/07/21

とみた

3
グリン・デイリー氏が聞き手となったジジェクのインタビュー。現実界、象徴界、想像界の話になるとわからなくなってしまったが、「学界から排除され(中略)共産主義の時代だったので、自発的に組織することは許されず」という背景のためできた「理論精神分析学会」という記録も会合もなにも起こらなず、なにもない学会の話――文書は必ず偽造して物事はでっちあげる――は「学会や制度に関わる作業はどれも捏造されてしまえばいい」というジジェクの考えがはっきり現れていて面白かった。2014/02/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/555426
  • ご注意事項