経験論と主体性―ヒュームにおける人間的自然についての試論

経験論と主体性―ヒュームにおける人間的自然についての試論

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  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309242231
  • NDC分類 133.3
  • Cコード C0010

内容説明

精神は、それ自身によっても、それ自身においても、ひとつの自然「本性」ではない。精神は科学の対象ではないのだ。そこでヒュームが取り組むことになる問はこうなる―精神はどのようにしてひとつの人間的自然「人間本性」に生成するのか。想像と妄想、虚構と自然が渾然一体となり「主体」へと生成する未曾有の世界。真に独創的なヒューム論。

目次

第1章 認識の問題と道徳の問題
第2章 文化の世界と一般規則
第3章 道徳における、そして認識における想像の能力
第4章 神と世界
第5章 経験論と主体性
第6章 人間的自然の諸原理
結論 合目的性

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

13
若くしてこの仕事に嫉妬すら起きない(立ってる平面が別次元過ぎ)。カントなど超越論的平面で行う哲学は、主体にとって何が起き主体が何をどうするか主体中心で考える一方、内在的平面に立つ経験論は感覚や印象つまり経験の断片の中で主体が構成されることを重視すると説明。全てが経験から生じるなら、諸経験が束ねられてコレクションとなり、コレクションが連合の原理や情念の原理によって様々に並び換えられ一つのシステム=主体になる、というのがドゥルーズから見たヒューム哲学。能動的でない仕方で、主体は能動的なものに仕立て上げられる。2018/07/13

Z

10
後日精読するが簡単な感想。かなり綿密丁寧な読解。ヒュームは因果律を相対化、つまりそれはあくまで主観的な信念にすぎないと主張したことが知られる。それは習慣によると。例えば人は何か誰かが発した音声を「花が好き」などと身構えなくとも用意に聞き取れるが、習慣は脊髄反射とことなり一対一の必然的な対応が成り立たず動的である。のち受動的総合などと称される、何でもない人間が印象(感覚)の需要を積み重ね、それらのネットワークを作り上げていくことで主体のシステムを作り上げていくヒュームの論理を丹念に読みといていく手堅い著作2018/10/13

Bevel

4
内在平面、そして器官を持つ身体について。哲学とは問題を包み開くことであるということについて。互いに折り込みあった二つの諸原理のブロックについて。アレンジメントについて。時間の総合について。差異と反復、そしてmilleux(環境)とコードについて。これだけのものがすでにここにある。それらの着想について非常に体系的な説明がある。もっと読まれるべき。2010/12/21

hakootoko

3
2021/02/27

ぴこ

3
素晴らしい・・・22歳でこれを書いた著者に敬服せざるを得ない。 経済学者、歴史学者としてのヒュームにも興味がわいた。2014/05/18

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