ドゥルーズ―存在の喧騒

ドゥルーズ―存在の喧騒

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  • サイズ B6判/ページ数 163p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309242033
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

出版社内容情報

1995年の自死で衝撃を与えた20世紀最大の思想家の核心を、かつては不倶戴天の敵といわれながら、晩年は親交があったもう一人の友が愛をこめて論じた哲学のレクイエム。

目次

とても遠くから!とても近くから!
どのドゥルーズなのか?
「存在」の一義性と名前の多数性
方法
潜在的なもの
時間と真理
永却回帰と偶然
外と襞
ある特異性

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぴこ

5
バディウによるドゥルーズ論。ドゥルーズの業績を賞賛しつつ、バディウが存在の一義性に対して距離を置くのは自身の哲学とドゥルーズの存在論が相容れないことを示す。存在の一義性の理解が少し進んだ気がする。ガタリとの共同作業については殆ど触れられておらず、主に差異と反復と意味の論理学とフーコー論、ベルクソン論の話。2014/11/03

Bevel

4
バディウとドゥルーズは存在論をどのように導き出すかという点で齟齬してると思う。バディウは、存在論に対してアクチュアルな権利を優先させる。つまり、存在論がうまくまわっているという事例の観察と帰納が対象(存在)を正当化するという二つの権利が、直観的存在論をどこまで維持し続けることができるかの線引きを行う。他方で、ドゥルーズにおいてはヴァーチャリティとアクチュアリティが拮抗しており、それはバディウが重要視しない、理念と原因のセリーに関わっている。2012/02/28

袖崎いたる

3
バディウはドゥルーズの一者論に懐疑的で、書簡でも批判したのだとか、この本でもちっちき攻撃している。作家でもあるらしく、やけに(ドゥルーズライクな)凝った比喩もある。それ自体はうっとうしくないものの、文章としては読みにくい。訳者のせいもあるかも。そう訳すんかーい、な翻訳もあるし。ドゥルーズの主要なアイデアを取り上げて点検しているのはさすが。バディウ、なぜか翻訳ぜんぜん出ないけどね。バディウはドゥルーズにベルグソンへのシンパシーを強く嗅いでいる。それはまぁ、彼の一者論へのこだわりにも由来するだろうが。2020/08/22

またの名

1
ドゥルーズは「一者」の哲学であり自分のこそ「多」の哲学である、と主張するバディウのオマージュかつ難癖。存在の一義性であるはずが現実性と潜在性にかんして二重化が起きている、リーマン多様体や微積分でなく集合論こそ「多」にふさわしい、骰子の一擲は唯一ではなくセリー化を拒む複数だ・・・といった具合に距離を置きつつも、ドゥルーズのテキストを解きほぐすことも怠らない。時々プラトンやヘーゲルに近くなってはいまいか、とも指摘。マンセー本にはない知見が得られる。ただし、論じられているのはガタリ抜きのドゥルーズ。2013/03/07

Masatoshi Iino

0
Allain Badiou, Deleuze, Hachette, 1997.2015/10/31

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