内容説明
ヨーロッパ、もうひとつの闇の歴史。人間の心の奥に封印された《魔》の力。その闇の系譜を、起源から現代に至るまで、はじめて明らかにした労作。
目次
第1章 ローマと東方
第2章 キリスト教と中世
第3章 ルネサンスと魔女狩り
第4章 モダン・リヴァイヴァル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たばかる
19
原著は1977年、日本語版は1997年著。様々な文献を基にした緻密な情報に圧倒される。本書での魔術の枠は広くローマ/ギリシャからキリスト誕〜中世、ルネサンス•魔女狩り、近代での形態変化までみっちりと例が挙がっている。科学革命後、実用性という点で廃れていく魔術が逆にマニアックな人々を魅力したという箇所では、WW1後のフロイト学説やシュルレアリスムによる人間の非合理性への注目に触発されたオカルト復興がヨーロッパで見られたそう。21世紀にはサブカル文脈に置かれて茶化されているが、いつまたブームになるか見ものだ。2019/08/13
サワ
0
時代毎に歴史を追っていく。人名が多くて、世界史弱い私はなかなか読み進まない。2015/06/22
ぎゃっつ
0
タイトルの通り、魔術の歴史について、古代から近代まで記されている。古代にも、浮気をする恋人を振り向かせるための魔術を使ったり、占いに熱中する女性がいたというのが興味深かった。宗教とのかかわりも面白く、宗教の影響を受けたり、また宗教に影響を与えたりという流れが興味深かった。ただ魔女狩りの話は読んでいて決して気持ちの良いものではない。最も奇妙なのは、魔術でなく人間なのだろう。2011/10/17