内容説明
山の怪異現象の記録集。里の向こう、山中では、誰もが“何か”の気配を感じることがある。あるときは霊異であり、魔物であり、祟りであり、不思議であり…。山にひたった人たちが秘かに語り伝える、山という異界のモノ語り。
目次
榛名山加護丸稲荷の霊異(小林増巳)
上州奥多野山地の妖怪(時枝務)
奥那須安倍ヶ城の怪(末広昌雄)
奥秩父の妖怪ばなし(飯野頼治)
寄居冬住山浅間の怪(神山弘)
奥武蔵越生地方の妖怪ばなし(新井良輔)
顔振峠の呪咀地蔵(大護八郎)
仙元様のお怒り(岡田博)
丹沢の山霊・あとおいこぞう(佐藤芝明)
八ヶ岳マモノ沢の犬隠し(小林増巳)
上信越・山の怪奇ばなし(大塚安子)
北アルプスの怪異伝説(長沢武)
梓川の水神の祟り(横山篤美)
北アルプス山麓の怪異譚(胡桃沢友男)
飛〓宮川村の蛇変化(青木自由治)
美濃徳山村のモノ達(脇田雅彦)
火の玉・トンネル・片手の幽霊(浅野明)
京都北山怪奇噺(岩田英彬)
四国山地・惣川の不思議な話(湯川洋司)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
26
復刊ドットコムの紹介で知りました。榛名山から始まり、四国まで日本の山々に伝わる怪奇の伝承を山系ごとに紹介。伝統的な話もあれば、比較的新しい話もあって興趣はつきませんが、ワッピー的には「仙元様のお怒り」の富士講紹介が興味深く、その他、日本の山の不思議の王道である山の神・天狗・河童・山父・山姥やお犬様、狐、光物、蛇の他、山中の魔所などあまたの話を楽しみました。かつての信仰、または畏れの記憶が次第に薄れてきて、怪異の伝承も次第に変質してきたのでしょうが、異界の風を現代の平地に吹きおろす本書に出会えたことに感謝。2024/04/25
オールド・ボリシェビク
3
山と渓谷社から出ている「山怪」シリーズと比べると、土着感とレトロ感が横溢している。山で起きた怪異を綴っていくのだが、どうにも語りに統一感がなくて、読みにくさも。まあ、複数の語り部によるものだから仕方ないけどね。しかしながら、山の怖さは伝ってきます。2024/02/10
金色
2
話が古すぎるかな。2024/04/14