出版社内容情報
見えざるものへ畏怖が、信仰へと発展した4万年の歴史を、場所、建築、世界中の博物館の収蔵品などを通して、たどる壮大な心の旅。
内容説明
氷河時代から未来まで―大英博物館元館長が世界中から選んだ、博物館の収蔵品や建築、場所を通じて楽内する、宗教と信仰の壮大な歴史。
目次
信じることと所属すること
第1部 くり返す営みの中のわれわれの場所(信じることの始まり;火と国家;生命と死の水;光の回帰;収穫と敬意)
第2部 ともに信じる(死者と生きる;出産と母体;伝統の中の居場所;祈りを捧げる;歌の力)
第3部 信仰を示す場所(神の家;神への贈りもの;聖なる殺し;巡礼者になる;祭りのとき)
著者等紹介
マクレガー,ニール[マクレガー,ニール] [MacGregor,Neil]
1946年イギリス生まれ。美術史家。美術学術誌「バーリントン・マガジン」の編集者を経て、1987~2002年までロンドンのナショナル・ギャラリー館長を務めたのち、2002~2015年まで大英博物館館長。2010年、イギリスで最も名誉とされるメリット勲章を受章した
高里ひろ[タカサトヒロ]
翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
12
「聖なる殺し」の章立てのアステカの生贄から心臓を取り出すナイフが美しすぎて参った。白く玉髄の刃に、トルコ石孔雀石真珠が散りばめられ、ナイフをふるう神官を具象化している。あんま切れ味よくなさげなんだけど、どうなんだろ…。せめてよく切れるやつであってください…。2022/06/11
やす
6
4万年前のライオンマンを起点に、人類の宗教観の歴史について論じた本。大英博物館の館長が書いていることもあり、たくさんのっている写真が過去を想像する助けになる。 ただ、何度も出てくる中世ヨーロッパの話は詳細に入りすぎていて難しかった2023/07/08
田中峰和
4
表紙の写真こそ、本書のテーマにふさわしいもの。4万年前にマンモスの牙から作られた想像上の存在を表現したもの。現在知られているもので最古の造形物といわれる。頭部がライオンで体は人間。現在も百獣の王と表現されるライオンは、当時も人間を捕食する最強の生物だったようだ。39年、第二次大戦の最中、発見時、棒状の動物の牙か角と思われたが、戦後、研究者によって復元されたのがこの写真。発見者がナチスに徴兵されていたというのも劇的。自分たちを守るための偶像の役目を話したのか。現存する最古の神かもしれない。2023/03/28
Hiroshi Sugiyama
2
すご~く昔から人間は何かを表現したがっていた。 きっと当時から"なんか違う"とモヤモヤしながら作ってたんだろうなwww2022/05/05
たいき
1
“宗教は出来事に意味を見いだすそうとする試みであり、世界を説明しようとする理論ではない”ジョン・グレイ ぼくたちはいつだって「なにか」を作っていたし、仲間を目に見えないものを共有していた。共有したがっていたんだーと思いました。 この読了感を同じ本を読んだ仲間と共有したいから感想を書いてるって部分も多いんだろうなぁ。2022/08/07