出版社内容情報
覚醒剤や大麻、睡眠薬……女性ドラッグ中毒者たちを取材。トラウマと逸脱、カネとセックス、生きざまと死生観。ルポ文学の金字塔!
内容説明
覚醒剤や大麻、睡眠薬…そして現代を生きる女性たちの身に起こるさまざまな事柄、葛藤し抵抗する姿を丹念に描き、新たな表現へと昇華る、“ルポ+文学”の新たな金字塔、ここに誕生。
目次
インタビュー
産毛
三つの神様
勝ち逃げ
矛盾脱衣
少女AAA
キウイパパイアマンゴー
Hey Little Rich Girl
住めば都
蟻
こつこつ
美と美
著者等紹介
五所純子[ゴショジュンコ]
1979年生まれ。大分県宇佐市出身。文筆家。映画・文芸を中心に多数執筆。『薬を食う女たち』が初めての単著となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
91
「ドラッグ・フェミニズム」の連載(雑誌『サイゾー』)を契機に薬物に依存する女性たちを描いた12篇。表題は、藤本和子が北米の黒人女性の語りを記録した『塩を食う女たち』をもじったもの。五所は、「ルポ+文学」を掲げ、覚醒剤や大麻、睡眠薬に溺れる日本女性の語りから書き起こしている。描かれているのは腕を切りたくなるリストカットの女性、違法薬物の顧客で向精神薬の売人、薬をがんがん食い、恋人にどんどん溺れていく女性など、「酔い、醒め、病み、癒え、痺れ、薬を食う女たち」の姿だ。→2021/11/09
Ikutan
79
覚醒剤や大麻、睡眠薬...薬物に囚われてしまった女たち。そのきっかけや葛藤や意識は色々。ただ、その殆どが少女時代からすでに、その世界に足を踏み込んでいることに驚く。援助交際、家出..無関心な親、性を搾取する大人..逃亡、逮捕..わずか21歳で「齢をとりすぎた」と話す少女に言葉を失う。少女を囲うために過剰処方で薬漬けにするという悪質な精神科医の存在には、激しい怒りを感じた。何とも重い一冊。取材した女たちが吐き出した言葉をなるべくそのまま書きつけたという文章はリアルだが、整合性がなく読みにくかった。2021/11/16
fwhd8325
55
遠い世界の出来事のように読みました。これは現実の世界なんだよと言われても不思議ではありません。そして作り話だよと言われても、よくできた物語だと思います。子どもの頃からどんなに苦い薬を出されても平気だった私ですが、なんとも後味の悪作品でした。2022/02/21
くろにゃんこ
32
ルポ。たくさんの女たちにインタビューをしたもの、いや、フィクション混じり?それぞれが目線も語り口も違っていて・・・もう少しどうにかできなかったのかな。とても読みにくくて後半は流し読みになってしまいました。2022/02/23
ズー
24
限りなくノンフィクションに近いフィクション。薬物中毒に落ちた、さまざまな女性の話。決して本人だけのせいではなく、生まれた環境、周りの環境の影がとてつもなく大きいと思った。そうゆう場所があると話には聞いていたけれど、本当にあるんだなと。蜘蛛の巣のように張り巡らされる、恐ろしい罠。何も教えてくれない、若い子が気づけるわけないだろ。そこにあるシステムをそもそも破壊しなければ。受け入れてくれる場所を居場所にしてしまうだろう。たとえそこが地獄でも。2021/07/13