出版社内容情報
その道を制す者が世界を制す――人類の欲望と憎しみの交錯を見つめ続けてきたこの道の壮大な歴史を描いた、世界的ベストセラー!
内容説明
繁栄とともに災いがやってくる。交易のみならず、死や暴力、病気、神までが運ばれた。アレクサンドロス大王、イスラム、十字軍、モンゴル帝国、大航海時代―世界支配をかけた争いの歴史!25カ国で刊行、世界100万部のベストセラー!
目次
シルクロードの創造
信仰の道
東へのキリスト教伝道の道
革命への道
調和への道
毛皮の道
奴隷の道
天国への道
地獄への道
死と破壊の道
金の道
銀の道
北ヨーロッパへの道
著者等紹介
フランコパン,ピーター[フランコパン,ピーター] [Frankopan,Peter]
1971年ロンドン生まれ。オックスフォード大学ウースター・カレッジ歴史学教授、スタヴロス・ニアルコス財団ビザンツ研究センター所長。専門分野は地中海、ロシア、中東、中央アジアなどの歴史、またそれらの地におけるキリスト教とイラスム教の関係についても研究をおこなっている。古代ギリシア文学への造詣も深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羊山羊
18
シルクロードというテーマを通してグローバル・ヒストリーを書ききる1冊。宗教・経済・暴力がひっきりなしに行き交い、中央アジアを最大活用しようとしあうのがシルクロードという世界史だった。面白いのは、本著を通して奪い合われる中央アジアは、自らが伸びて大国となることはほとんどなかったということだ。強いて言うならモンゴル帝国や遊牧民族。国同士の戦闘様式が固まってきた所で、津波の様にやってきてすべてをぶっ壊していく様は凄まじいの一言。その衰退の速さも。2022/08/23
MUNEKAZ
15
イギリス人史家によるシルクロード史。上巻は古代から17世紀後半まで。本書は中東のイスラム世界と、それに関係するヨーロッパの動向がメインで、日本の研究者が同じテーマを扱うと頻出する「唐」や「ソグド人」、「突厥」といった話題はさらっと触れて終わっている。まぁイギリス人の思う「シルクロード」はこうなんですかと違和感を感じつつも、幅広い話題を扱った記述はなかなか読みごたえがあり面白い。ただ、ところどころ固有名詞の訳が「?」なものが出てくるのはどうなんでしょう。2021/01/18
AWS
4
題名の通り、中央アジアの歴史の記述が多いです。世界史は人間の欲望が動かしてきたと感じるストーリーでした。人身売買に関することや十字軍の実態、それを利用して勢力拡大を図るヴェネツィア等、生々しさを感じました。その中で10世紀ごろの世界最高の知識人イブン・シーナーの記述がありました。彼は、アリストテレスの「形而上学」を40回読んでも理解できなかったと語っている部分がありました。この謙虚さというか誠実さが、この本の中で際立っていて、彼は偉大だなと思いました。2021/02/27
やす
3
シルクロードの起源から中世まで。シルクロードと中東を中心に、世界全体の流れが俯瞰できる。キリスト教徒とモンゴルの協調(vsイスラム) 2021/01/01
しんさん
2
十字軍もヨーロッパ史、新大陸も出てくるし、要するに「世界史」。「寛容は自己のアイディンティティに自信と余裕のある社会の特徴にほかならない」。モンゴルの成功は無差別な残忍さではなく、妥協案を模索し、協調を図る姿勢、中央の支配を刷新しながらシステムを維持する継続的な改善の結果だった。読み直しと下巻は老後のお楽しみに。2023/12/06