- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 文化・民俗
- > 文化・民俗事情(海外)
出版社内容情報
東北の古代~中世史を書き換えようとした偽書・東日流外三郡誌。その捏造ぶりを「プレ三郡誌」に遡り徹底的に検証する解説書。
内容説明
中央の歴史が黙して語らぬ東北に残った原日本の姿を描く、禁断の書『東日流外三郡誌』。偽書と判明しても、いまだ人を呪縛するその魔力の源泉は一体何か。その捏造のからくり―伝説の津軽三千坊、修験道の始祖・役小角、浄土宗の金光上人、安東水軍、荒吐神など、その全貌を“プレ三郡誌”の世界にまで遡りあますところなく抉り出し、偽書の正体に迫る渾身の力作。
目次
序章 徘徊する亡霊
第1章 長期の論争が終息しても…
第2章 史上最大の偽書?その実態は
第3章 早熟な偽作者
第4章 「中山三千坊資料」をベースとした“プレ三郡誌”の生成
第5章 『東日流外三郡誌』への道
第6章 『三郡誌』の説く荒吐神の正体
著者等紹介
藤原明[フジワラアキラ]
1958年、東京都生まれ。出版社編集勤務の後、ノンフィクションライターに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
『東日流外三郡誌』、その成立をプレ三郡誌との関わりで検証した一冊。『東日流外三郡誌』を読み込んでいる人前提みたいなところがあって、自分みたいな原本に触れた事無く他からの引用で粗筋だけは知っているみたいな人間には難解な部分多し。それでもこの偽書が作られた目的とかアラハバキとの関連とか、本書を読んでようやくはっきりした部分も多く面白く読める。で、文中さっと触れられているだけなんだけど、南朝の天皇を満州に迎える計画があった。とかこれ本当なら大発見じゃなかろうか。偽書の持つ昏い輝きを再確認させてくれる一冊でした。2020/02/10
うさぎや
8
「アラハバキ神」と和田氏が「発見」した文書群の関係性に焦点を当てて探る研究書。どちらかというと「三郡誌」よりも、それ以前のものの方がメイン。いまだに「亡霊」は彷徨い続けているのだなあ、という。2019/12/27
onepei
2
奇々怪々な関係を説明してくれる本2020/06/28
agtk
1
東日流外三郡誌を「プレ三郡誌」との流れの中で検証したら本。いまだにアラハバキ(荒吐)という言葉は目にするし、またひょんなきっかけで、「三郡誌は偽書だが、その中には真実が…」なんて話が出てくるんだろうか。2020/01/07
正坊
0
偽書「東日流外三郡誌」をかなり深堀りしており、金光上人関係の資料や役小角の墓、アラハバキ神にかなり重点を置いている。取材にもかなりの労力を注いでいることが読み取れるが、関係者には物故者もあり、少し遅かったかもしれない。この偽書事件を知らない人は、詳細過ぎてついていけないだろう。この事件の全体(被害の全体)は『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」 (集英社文庫)』(斉藤光政 著)あたりを先に読んでみて、さらに興味を持ってからこの本を読むとよいようだ。2021/03/02