出版社内容情報
イザナギ、イザナミの第一子で、アマテラス、スサノヲの兄。棄てられた後を追求、徐福伝説をさらに追加した決定版。
内容説明
イザナギ・イザナミの第一子で、アマテラス・ツクヨミ・スサノヲの兄であるのに、なぜヒルコは障害を持って生まれ、また葦舟に乗せられ、棄てられねばならなかったのか?海人族、姫姓、ヒルメ、エビス神、呉太白、陳大王、夫差、ニウツ姫、銅鐸祭祀、アメノミナカヌシ、徐福伝説、ニギハヤヒ…そしてスサノヲからヒルコの正体に迫る。『先代旧事本紀』の価値に注目し、神武以前のもう一つの建国神話を読み解く。
目次
第1章 流された神・ヒルコの謎―漂着神話に由来するエビスと隼人
第2章 太陽の化身・オオヒルメの謎―海人族が奉戴した八幡神の母
第3章 「丹」をつかさどる神・ワカヒルメの謎―銅鐸は紀氏一族の祭器か
第4章 北極星となった神・アメノミナカヌシの謎―呉太伯伝説は海を越えて
第5章 降臨する現人神・スサノヲの謎―渡来神話が示す歴史的事実
増補最終章 その後のヒルコ―「蓬莱山」をめざして
徐福と出会う旅―『決定版 ヒルコ』のあとがきに代えて
著者等紹介
戸矢学[トヤマナブ]
1953年、埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
20
ヒルコは彦であり、オオヒルメは姫であり、二人は双子であるという仮説。また、「蛭子」という卑字を充てられた上、生まれてすぐ海に流され、建国史から外された意図を古書を傍証に推理。神話は空想ではなく史実であること、定説に捉われる危険を強調しており、著者の切口も含め興味深い。2022/07/06
カゲツナ
6
本当に謎多き神ですね。 ヒルコはスサノヲでもあったのか!? いろいろと考えているとワクワクしてきます。こういう話が好きなんだなと改めて思わせてくれた一冊です。2019/08/29
鳩羽
5
不具の子だったため海に流された神ヒルコ。輝かしい姉弟神達に比べて、訳もなく蛭子と貶められ遺棄されたのはなぜか。実在した人間が死んだのち、神として祭られたという立場から、記紀の日本神話を解釈しヒルコの謎に迫る一冊。中国の周王朝の姓が「姫」であり、日本の国姓も遣隋使遣唐使で「姫」と名乗っていたことから、天皇家のルーツを推測したり。呉の最後の王の縁者が二人、それぞれ別の時期に日本に渡来してきて、片方がヒルコ、もう片方はヒルメ、など、神話のストーリーを記紀の違いを含めて、素直に当てはめるのがよく出来ていた。2019/12/31
らむだ
3
記紀に登場するも、詳細な記述がなく海に流され棄てられる神ヒルコ。そのヒルコを主軸に日本古代史の謎に挑む著者の情熱と知的好奇心に圧倒される。2023/01/06
林克也
3
面白く興味深い本でした。色々と知識を得ることができて良かったです。古事記と日本書紀との関係、銅鐸と宗教革命説、富士山が禁忌であったことと徐福との関係など、古代史はそれが好きな人にとっては、次から次へと調べること考えることが出てきて楽しくてたまらないだろうなと思いました。 何はともあれ、何事も興味を持つことが大切だ、ということですね。 2020/02/23