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森林官が語る山の不思議―飛騨の山小屋から

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309227115
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

長く森林官として山に暮らした著者にして遭遇しえた、不思議な話の数々。郷愁の世界へいざなう、瑞々しい記録文学、一級の文学。

内容説明

飛騨の山やま月淡く、灯りにむせぶ湯の煙―。山奥の世界はあくまで懐かしく、そこに棲むひとたちはまた哀しくもあたたかい。森林官の見た、湯小屋のおやじ、山窩の娘、雪和郎…たちの物語。

目次

猿の酒
山の私刑
雪和郎
尾瀬の旅人
白馬岳の女
樹海の棲息者
花嫁盗み
山窩の娘
山の和尚さん
峠の湯
群れ鼠
飛騨の山小屋
密林の父
深山の湯女
白骨池物語
草原の湯
雪の湯町

著者等紹介

加藤博二[カトウヒロジ]
森林官。著書に、『深山の棲息者たち』(1937年1月、日本公論社)、『密林の怪女』(1940年7月、同)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

65
傑作。題名から怪談めいた話を集めたものかと思いきや、「山に埋もれたる人生」を集めた一冊であった。中には小説めいた話も含まれているけど、そうでない話は山中の人間苦を拾い集めたようなしみじみとした話ばかりである。文章も山の美しい風景と、人間の寂寥感溢れる人生の対比が何とも美しく感じられた。ただ山窩に関しては差別的な表現が目立つけど、これはやはり時代のせいなのかな。特に心に残ったのは「峠の湯」と「飛騨の山小屋から」。どちらも秋の山風に吹かれているような、そこはかとない哀しみを覚えるような作品ばかりであった。2017/10/27

なにょう

19
なんだ、この本は。面白かった。★著者の加藤博ニ氏の詳しい経歴は不詳。時代はおおよそ大正・昭和の前期か。舞台は飛騨に留まらず、白馬の話もあれば尾瀬の話もある。全編、不可思議な話ばかりだがおばけの話はない。★動物との関わり、山の自然の描写、新田次郎さんの著作に通じるものがある。2021/06/27

tom

17
森林官(公務員らしいけれど、いまいち何をする人なのか不明)が仕事とのかかわりの中で出会った出来事を書いた本。出版は、かなり大昔。その本の再販。山奥の村人が、なにやら問題を起こして、村から放り出される。そして森の中で暮らすことを選んだ人たち。あるいは、サンガというのだろうか、人里には入ることを許されない人たち。氷河に落ちてしまった恋人に会うために和服姿で山に登る人。温泉に浸っていたら、とんでもない怪物に出会った話などなど。この本、存外に面白い。2017/12/09

100名山

12
「本書は加藤博二著「飛騨の山小屋」(よみもの新選・1真実新聞社1948年9月刊)を改題して著作権継承者不明のまま再刊するものです。 著者は元森林官と言う国家公務員としての肩書で森を歩き、見聞した事柄を著者曰く「その話がどこまで面白くかけようか」と小説に仕立てた17編が収めてあります。 同じ素材からいくつか派生させた物語もあるようですが、当時を偲ぶ事に大きな間違いはないと思います。 民俗学者の記述した山窩とはまた違った時代背景を感じました。 表紙は吉田博の版画、小林喜作をモデルにした「猟師の話」です。2021/06/13

syo_masa

4
山の怪談系と思い借りたが、今では差別となる部落や乞食、サンカと呼ばれる人が出てくるが、また山奥で暮らさざるを得なくなり山男と恐れる人だったりの話だが、近年までそういう人らが普通にいたことを知る。 「花嫁盗み」今なら絶対事件扱いになるようなことが地域では当たり前だった、それが遠野ではカッパとして変化していくのだろうか? 『遠野物語』にも山男、山女が登場するが、やはりサンカや元村人が山で暮らすようになり、町場との確執の中で差別や恐れの対象になっていったので無いだろうかと思った。2019/09/20

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