南シナ海―アジアの覇権をめぐる闘争史

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  • サイズ B6判/ページ数 387p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309226453
  • NDC分類 329.23
  • Cコード C0025

出版社内容情報

中国が滑走路をつくり、排他的な態度非難を呼んでいる南シナ海。その広大な海域、さらに覇権を争ってきた歴史を克明に明かす。

【著者紹介】
ジャーナリスト。中東でアルジャジーラなどを取材した後、中欧と東欧問題に関心を向け、さらに英国BBCテレビで1年ほどアジアを専門にリポート。現在はミャンマーの放送局の改革に協力している。

内容説明

境界線と領有権の「なぜ」を詳説!人工島の拠点化、緊張する周辺国、衝突の危険と不測の事態。「南シナ海の歴史」は「世界の歴史」であり、その未来は世界の関心事だ。ここで起こることは世界の未来を決めることになる…歴史、国際法、資源、政治、軍事など、あらゆる角度から解説する必読書。

目次

第1章 残骸と誤解―先史時代~一五〇〇年
第2章 地図と線―一五〇〇~一九四八年
第3章 危険と迷惑―一九四六~九五年
第4章 あちらが浮かべばこちらが沈む―南シナ海と国際法
第5章 ゼロよりはまし―南シナ海の石油と天然ガス
第6章 軍鼓と象徴―ナショナリズム
第7章 蟻と象―外交
第8章 戦場の形―軍事問題
第9章 協力とさまざまな非協力―紛争の解決

著者等紹介

ヘイトン,ビル[ヘイトン,ビル] [Hayton,Bill]
ロンドンの「BBCワールド・ニュースTV」に勤務するジャーナリスト。ベトナムでBBCのレポーターの仕事をし、2013年にミャンマーでメディア・リフォームの経験を持つ。「フォーリン・ポリシー」「サウス・チャイナ・モーニング」「ナショナル・インタレスト」「ディプロマット」などの紙誌に現在も寄稿している。最初の著書は『ベトナム―ライジング・ドラゴン』(2010)

安原和見[ヤスハラカズミ]
東京大学文学部西洋史学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

9
後回しの末、読了に8ヵ月以上かかりました。唯そのお陰で、この問題の本質理解を助けてくれました。石油・水産物の獲得、海上輸送の安全が絡んでいるとは言え、結局南シナ海は周辺国のナショナリズムの問題です。平21年、オバマ政権がポストイラク後のシンクタンクテーマとして南シナ海に深入りしてから、ややこしくなりましたが、トランプ後はどうなるのでしょうか。日本も、専ら東シナ海の保安上の反射問題として声高に主張していますが、本腰にはなりえません。本書は、視座の広さ、問題の掘り下げの深さで圧倒されました。本年収穫の1冊です2016/11/20

BLACK無糖好き

8
著者はBBCジャーナリスト。領有権を巡って関係国間で緊張が続く南シナ海の歴史的背景、関連する国際法、海洋資源、政治・軍事・外交と、多角的に分析している。特に参考になったのは国際法で、領有の「歴史的根拠」を規定する古い法体系と、領土に基づいて領海の範囲を規定する国連海洋法条約で定められた新しい法体系と、相反する二種類の法が存在している。後者に基づくと東南アジア諸国が概ね中国より有利だという。よって中国は「歴史的権利」を主張する。アメリカと中国の利害が衝突する南シナ海、その全体像を把握するのに役立ちました。 2016/03/06

wasabi

6
そもそも海洋における領土問題は、およそ解決なんてするはずがない。日本における竹島、北方領土、尖閣諸島についても主張し続けることで一方的に奪われないことがせいぜいだ。近世までの状況を客観的に学ぶに、どれひとつ日本の主張が胸を張って正当だとは言い難いもの。ただ相手国のそれとて同様で、強引な支配には呆れるのだけれど。ましてや列強国の支配で混乱し、未だに貧しい国々とあの横暴大国が囲む南シナ海の領有権問題なんて…。されど、同地域を政治、軍事、資源という様々な角度から学び、日本人として培うべき歴史認識はある。2016/04/24

Shori

3
著者も最後に書いている通り、知れば知るほど「うんざり」するほど複雑な係争。ここまで調べ上げまとめ上げた著者を尊敬。米中の戦略利害衝突の舞台であり、日本のエネルギー・貿易観点でも重要なことから、他国事ではない。2022/10/19

Splash

3
西沙諸島と南沙諸島は、中国、ベトナム、フィリピン、さらにはフランスやイギリスまで領有権をせめぎ合ってきた島々だった。石油・ガスの可能性だけでなく、中国にとって、周りを全て他の国の海域に遮られ公海に直接アプローチできないこと、ベトナムと友好的なロシアに南の出口を抑えられかねない脅威を感じての行動であることもわかった。さらに、軍をはじめとする圧力団体との関係で、弱腰に見られると中国共産党一党支配も揺らぎかねないという事情もあるようだ。根の深い事情が横たわっていることを教えてくれる本。2016/04/29

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