グアンタナモ収容所 地獄からの手記

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  • サイズ B6判/ページ数 447p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309226439
  • NDC分類 936
  • Cコード C0031

出版社内容情報

罪状不明のまま今も米国政府に収監されている著者が経験した、拷問と虐待の日々…。この手記は、国家と人間について何を語るのか?

【著者紹介】
1970年モーリタニア生まれ。ドイツの大学に留学後、エンジニアとして働く。2001年にモーリタニア当局により身柄を拘束され、2002年8月5日より現在に至るまでグアンタナモ収容所に収監されている。

内容説明

罪状不明のまま今も米国政府に収監されている著者が経験した、拷問と虐待の日々…黒く塗りつぶされた検閲を乗り越えて今ここにある手記は、国家と人間について何を語るのか?20カ国で刊行され、世界中が震撼した衝撃の書!

目次

ヨルダン~アフガニスタン~グアンタナモ―二〇〇二年七月~二〇〇三年二月(アメリカ側に引き渡される;バグラム空軍基地に到着;バグラムからグアンタナモへ ほか)
グアンタナモ以前(セネガル~モーリタニア―二〇〇〇年一月二十一日~二月十九日;モーリタニア―二〇〇一年九月二十九日~十一月二十八日;ヨルダン―二〇〇一年十一月二十九日~二〇〇二年七月十九日)
グアンタナモ(グアンタナモ―二〇〇三年二月~八月;グアンタナモ―二〇〇三年九月~十二月;グアンタナモ―二〇〇四年~二〇〇五年)

著者等紹介

スラヒ,モハメドゥ・ウルド[スラヒ,モハメドゥウルド] [Slahi,Mohamedou Ould]
1970年モーリタニア生まれ。奨学金を得てドイツの大学に留学後、エンジニアとして働く。2000年にモーリタニアに帰国し、翌年米国の要請のもとモーリタニア当局により身柄を拘束され、ヨルダンで拘禁される。その後アフガニスタンのバグラム空軍基地に収容され、さらに2002年8月5日にグアンタナモ湾にある米国の収容所へ移送され、そこでさまざまな拷問を受ける。2010年、連邦判事はスラヒを即座に釈放するように命令したが、米国政府は上訴した

シームズ,ラリー[シームズ,ラリー] [Siems,Larry]
ライターであり、人権運動の活動家。ペン・アメリカン・センターで何年にもわたり「フリーダム・トゥー・ライト」プログラムを運営している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

42
映画を観たい観たいと思っていたのに見逃し、原作をようやく手に取りました。悪名高いグアンタナモに14年間不当拘留されたモーリタニア出身の男性の手記で、出版までこぎつけたものの個人名を特定できるような情報が多いとはいえ黒塗りだらけ。…こんなに黒塗りだらけの本を読んだのは中国の小説家の作品(自主規制)以来。民主国家も「国家安全」の名のもと、無体なことをしますねえ…。けれども驚くのは手記全てに流れる冷静な観察者の視点と、穏やかでゆるぎない信仰が彼に与える力でした。自分ならどうするだろう…。2022/05/20

テツ

22
グアンタナモ収容所に拘束されている方の手記。人間は本質的に、自分に利益を供さない相手、敵だと認識した相手(例えそれが明白な証拠もなくあやふやな認識だったとしても)にはいくらでも残酷に非道に振る舞える。それは人種や国籍、時代や宗教に関係なく大抵の人間は罪の意識もなくそうしてしまう。性善説に身を委ねて安心することなく、自分もそうした邪悪な人間であるということをまず認めることこそが、こうした状態で踏み止まる力を養っていく気がする。蛮行に酔わない力。正義の御旗に酔わない力。なかなか難しい。2018/07/28

ブラックジャケット

16
そもそもなぜキューバにアメリカ軍基地があるのか、大疑問がわく。スラヒ氏は、モーリタリア政府に人権を守られず、焦りまくるアメリカの要請で地球の裏側のカリブの天国へ収容された。調べてみるとカストロ政権前のキューバとの租借権に遡る。キューバ革命はこの辺境の地にまでは及ばなかった。カストロ政権はアメリカからの「租借料」は受け取りを拒否しているという。つまりここはキューバでもなくアメリカでもない地域。軍法だけで成立する治外法権エリア。冤罪の温床だ。黒塗りされたのり弁状態のスラヒ氏の手記。拷問、拷問。カリブの地獄。 2021/12/23

akane

7
見た目とんでもなく分厚い本で、厚み3.7cmもある。なのに、同じようなセリフの応酬(「言え」「知らない」のたぐい)が幾度となく繰り返され、話が絶望的に進まない。つまり本の厚みは、不毛で非人道的な時間の経過そのものだ。そこへ408頁の「著者からの伝言」。たった3行のメッセージとはいえ、ああそうですかと容易に理解はできない。彼は、本書で言及した人々を少しも恨んでおらず、いつか共にお茶を楽しみたいという。彼が受けた心身の暴力を何日も読み続けてきた私は、このスケールの大きな包容力をどう受け止めればいいのか・・・。2021/12/05

Lila Eule

7
21世紀に入っても差別的独善的野蛮行為が国家組織の行為として行われ、隠蔽され、虐げられている人々がいるとの告発だ。正義の復讐論に隠れて横暴な差別的蛮行を黙認する図式で、ニック・タースの「動くものはすべて殺せ」のベトナムでの米軍の体質と酷似。この地は1903年キューバからの永久租借地だが、カストロは租借料を1回のみ受け取り、以後認めず拒否と以前読んだ。ブッシュが設けてオバマは止めると言ったが止めない施設での話だ。解せない。2015/12/23

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