東国武将たちの戦国史―「軍事」的視点から読み解く人物と作戦

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東国武将たちの戦国史―「軍事」的視点から読み解く人物と作戦

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309226385
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C0021

出版社内容情報

いち早く戦国期に突入した東国を舞台に、単なる戦国通史ではなく、中世の戦争として「軍事」の視点で戦国武将たちの実情に迫る。

【著者紹介】
1961年生まれ。学習院大学卒。考古学を学び数多くの発掘調査に携わる。城郭研究者として数百の戦国の城郭を踏査。現在もっとも気鋭の城郭・戦国史研究者。著作に『戦国の軍隊』『「城取り」の軍事学』など。

内容説明

合戦と英雄ではなく、戦争と人間の物語。「作戦」「戦役」「軍事の階層構造」「戦場の霧」…これまでの歴史学では使われなかった軍事概念をキーに見直す戦乱の120年。

目次

第1章 長尾景春と太田道潅―戦国への幕を引き破った二人の天才
第2章 伊勢宗瑞と北条氏綱―戦国大名北条家の勃興
第3章 武田信虎の甲斐統一戦―名門守護家から戦国大名へ
第4章 長尾為景の下剋上―権力簒奪の甘い罠
第5章 河越夜戦―北条氏康、勝機に賭ける
第6章 山本菅助の虚実―伝説の闇に消えた辣腕の傭兵隊長
第7章 越山―孤高の軍神、関東平野に立つ
第8章 永禄十二年の武田軍関東侵攻―もっとも戦国的な戦い
第9章 武田勝頼の苦闘―盛者必滅の宿命を背負った悲運の勇将
第10章 小田原の役―関東百年帝国の終焉

著者等紹介

西股総生[ニシマタフサオ]
1961年、北海道生まれ。学習院大学文学部史学科卒業。同大学院史学科専攻・博士課程前期課程卒業。目黒区教育委員会嘱託、三鷹市遺跡調査委員会、(株)武蔵文化財研究所を経て現在フリー・ライター。城館史料学会、中世城郭研究会、日本考古学協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みこ

25
応仁の乱に先立って関東で起こった永享の乱こそが戦国時代の幕開けと他の本で読んだ記憶がある。本書は永享の乱を火種とした長尾景春の乱から戦国最後の合戦とも言うべき小田原城攻防戦までの関東で起こった戦乱を解説することで戦国時代について総括している。個人的に秀吉に対してあまり戦国武将というイメージを持てないのは彼が勇猛の士ではないからというのもあるだろうが、小田原城攻めや高松城攻めのように戦術ではなく、戦略で戦をするからかもしれない。本書の登場人物を秀吉と比べて近視眼的と称するのは簡単だが⇒2021/04/11

roatsu

19
中部以西に劣らぬ激動を繰り返した戦国期関東の百数十年の変遷に対する著者の合理的で興味深い洞察が冴えている。表紙に三つ鱗が際立つのは著者の後北条氏への評価ゆえだろうが、実際に宗瑞からの歴代当主が成した事績は凄いの一語に尽きる。諸将が対峙した人間のどす黒い本質に発した現実とその対応に要した冷酷な合理精神を現代日本人は国際情勢を踏まえて真剣に再認識すべきでは。関東地方で起きた諸勢力の興隆と衰亡物語としてだけでなく、現代流の主観的で甘い英雄願望など入る余地のない戦国時代の容赦ない営みを知る上でも好適な一冊。2016/04/10

YONDA

17
西股さんの本は、学研から発売された三冊に衝撃を受け、通説をぶった切る西股節に感心することが多かった。今回は前三冊よりもおとなしくはあるが、所々に西股節が炸裂し、大変面白かった。中でも、「長尾景春と太田道灌」の項は、信長・信玄・謙信達が出てきた時代のちょっと前の事なので、「名前は知っているけど何した人?」ぐらいの知識なので非常に勉強になりました。また、信玄が三国同盟を破棄した頃からの戦略的迷走、北条家の小田原征伐に対しての戦術なども興味深い。西股さんの文は私の体質に非常に合っているみたいです。2015/11/16

jiangkou

11
装丁とタイトルから固い、文も読みにくいものかと思ったら、しょっぱなからナウシカのセリフが引用されていたり、全体的に読みやすかった。内容は北条、武田、上杉を中心とした東国戦国大名の戦史をつぶさに書いたなかなか無い本。特に関東管領について理解が深まった。北条の描写が細かく100年も持つ帝国を作った政治機構、小田原攻防は劣勢ではあったが勝ち目を探って戦略を練った戦役だったなど深かった。上杉、武田の描写も読みやすかった。同じ作者で北陸、近江も読みたい。想定外のよい本。2018/03/27

kawasaki

10
『戦国の軍隊』が面白かった作者による戦国関東百年史。『歴史群像』誌発表作で、ご自身「現代版の軍記物」とは述べておられるが、学問的な研究動向にきちんと足の着いた安心感がある。それとともに、確定できない部分を埋める「観てきたような確からしさの面白さ」があって、ちょうどよい塩梅。長尾景春、伊勢宗瑞、北条氏綱、武田信虎、長尾為景をはじめとする人々が、魅力たっぷりに描かれる。2018/09/08

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