宮本常一―逸脱の民俗学者

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309226002
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0039

内容説明

宮本常一は、ありきたりな観察者の位置を踏み越え、とおりいっぺんの民俗学者からも逸脱し、徹底した資料分析とフィールド調査に基づく慧眼を土台に、独創的かつ横断的な“宮本総合学”の完成へ向かった。その生涯の軌跡を追う。

目次

第1章 故郷周防大島からの出発(生活体験の客体化;調和と共同;生活体験の延長線上に)
第2章 逸脱の「民俗誌」学者(柳田民俗学と渋沢民具学の学習;地域「生活誌」学者としての出発;保守主義者としての完成)
第3章 創造的人文科学者の誕生(社会経済史学者としての再出発;保守主義者のかなしみ・疑問・批判;総合社会史学としての完成)

著者等紹介

岩田重則[イワタシゲノリ]
1961年、静岡県生まれ。専攻は民俗学/歴史学。中央大学総合政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

16
「絶えざる更新によって自転する学問」宮本常一の学問を主人公とした、いわば成長物語。そして、最強の宮本ブックガイドでもある。◇学者になるという少年の日の志を出発点に、アナキズムの受容、教育や農業指導、離島・山村振興といった現場での実践と、多くの人に学んだ方法を複合させ、多元的な文化論へと結実していく様。それが作品ごとに丁寧に追いかけられる。◇社会の進歩は、何かの理想じゃなく調和と共同性によるものという宮本の考え方。確かに保守主義かもしれんが、むしろラディカルなアンチ全体主義やん、今はその方が意義深いと思う。2013/11/11

浅香山三郎

11
民俗学者による緻密な評伝。佐野眞一さんの『旅する巨人』も面白い評伝だつたが、本書は宮本常一の学問のスタイル、スタンスを書かれたもののなかから、探らうとする。「逸脱の民俗学者」といふ副題の通り、宮本は穏やかな反共主義者であり、「生活誌」を記録することを志向し、農村や離島の振興のため、ムラの社会経済史的来歴を明らかにするなど、その仕事は民俗学の枠に収まらなかつた。この従来の学問の枠に捉はれない宮本の学問は、大学を頂点とする当時の正規の学問のルートを経験出来なかつた環境からくる独自の模索の結果であつた。2016/11/10

Shiki Magata-ma

0
この人についての簡単な解説書が読みたかった。民俗学の中には、それを定着させた柳田国男の流派とは別に、もう一つ大きな流派がある。それが宮本常一の方法だ。柳田が、水槽の魚をその外から観察するのだとしたら、彼は自信が魚になってしまい、その様子を身で以て調べてしまうようなものだ。僕が日本各所を自転車で旅した後に、それを記録としてまとめようとするプロセスは、巧拙の差こそあれ、何方かと言うと彼の方法に近いものがある。2016/06/17

R

0
民俗学研究者がみた宮本常一研究本。 勉強になりました。2015/06/28

onepei

0
学問(研究)からみた宮本。人間的なエピソードなどは少ないが、民俗学の中での位置、仕事がよくみえた。2013/11/05

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