猿まわし 被差別の民俗学

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309225944
  • NDC分類 384.38
  • Cコード C0039

内容説明

中世以前、猿は信仰され、また馬の守り神として飼われ、芸も仕込まれた。が、その信仰の零落とともに猿飼は賎視されるようになった。被差別者全般を視野に入れて取材・探究された、第20回旅の文化賞受賞の著者による、初めての決定的な書き下ろし。

目次

第1章 近世・猿まわしの身分と暮らし
第2章 現代猿まわしの故郷・山口県
第3章 戦国大名と猿飼
第4章 「猿飼」地名を歩く
第5章 「藤内」を結ぶ糸
第6章 古代・中世資料に見える猿まわし
第7章 猿まわしの起源
第8章 猿と人間
第9章 猿まわしの系譜
第10章 なぜ差別されたか

著者等紹介

筒井功[ツツイイサオ]
1944年、高知市生まれ。民俗研究者。元・共同通信社記者。正史に登場しない非定住民の生態や民俗の調査・取材を続けている。第20回旅の文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Humbaba

7
説得力のある説明も、因果が逆転しているということもある。文字から言葉を推測しても、実は最初にあったのは言葉であり、その言葉の意味にあわせて感じが振られていることもある。後から振られたのだから意味が通るのは当たり前であり、なぜそのような文字が振られたかを知ることのほうが大切なこともある。2015/11/01

狐狸窟彦兵衛

3
猿回しが厩の祈祷にかかわる芸能であったとは知らなかった。「神」と「祈祷」と「芸能」、そして「差別」との深いかかわりは網野義彦さんの著書でも繰り返し考察されています。あの世とこの世の境界、神の世界と人の世界との境界を掌るところに、崇拝と差別が背中合わせで存在しているという考察は非常に興味深いと思いました。著者自身が述べているように、「実証」するには資料が少なく、ピース足りないジグソーパズルのようなもどかしさは仕方がないのかもしれませんが、扱っているのが「差別」に関することなので、ちょっと注意が必要です。2013/10/23

maqiso

2
馬の祈祷を行う猿まわしはかつては一種のシャーマンだったが、被差別民としての面が強くなり、明治にはほとんど途絶えた。多くの資料や地域を探っているのは面白いが、結論がはっきりしないことが多くて物足りない。2019/06/12

nonchaka

2
前半、専門的な内容を読み飛ばす。後半を読み、被差別部落がなぜできたかについての自分の認識が間違っていたことがわかり、よかった。地名や言葉の俗称には、その名前がついた歴史的な意味があり、探っていくことによって、知らなかった事実を発見できたりする。「民俗学」の奥深さや、おもしろさをちょっとだけ、かじった気分。2014/01/13

ヌーン

1
猿回しと被差別がどういう関係があるのか 表紙のサルと馬はどういう関係があるのか まったくわからないまま読んだのだが、遠くインドあたりから渡来した馬とサルの関係、もとは神とされていたサルがなぜ害獣になったのか 日光ではなんでサルが多いのか そのいくつかのわけが本書では推測されている 最初は地名からその由来、失われた集落などで、私には退屈だったが、章が進むにつれ、昔の人とサル、食べたり薬になったり神にされたりまた蔑まれたりとの変節がたくさん書かれている とても読みやすかった 理解できたかはまた別の話である2023/10/05

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