「裸」の文化史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 321p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309225647
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0022

内容説明

なぜ裸になるのか。裸にはどんな意味があるのか。信仰と魔術、権力と隷属、反抗と抗議、羞恥心と破廉恥、自由と解放…「宗教・政治・文化」から読み解く興味深い一冊。

目次

プロローグ バラダ王の鏡
第1章 天空の衣―魔女術とドルイド教
第2章 ジェラム川とヨルダン川のほとり―ジャイナ教からキリスト教へ
第3章 裸の反抗
第4章 イギリス首相は隠しごとをしない
第5章 消える羞恥心
第6章 英雄の帰還
エピローグ 奇妙な満足感

著者等紹介

カー=ゴム,フィリップ[カーゴム,フィリップ][Carr‐Gomm,Philip]
イギリス・ロンドン生まれの心理学者。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンに学んだのち、心理療法の専門家として活躍。一方で、キリスト教伝来前のケルトの宗教であるドルイド教に造詣が深く、ドルイド教団のバルド・ウァテス・ドルイド団を創始したロス・ニコルズに10代のとき出会い、ドルイドの道を探究しはじめた。1988年にバルド・ウァテス・ドルイド団の代表に就任。現在ではこの分野の第一人者として、ドルイド教をテーマにする著書を数多く出版している

中島由華[ナカジマユカ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

74
一説に、ヌードは人に見られることを意識した無着衣の状態で、裸は単に服を着ていない状態、なる区別がある。  つまり、ヌードは芸術に、裸は浴室に属する、あるいは裸は自然体を、ヌードは理想像をあらわす、というわけである。  こういった俗説は、ヌードがフランス系のノルマン語に由来し、裸(Nakedness)は、ゲルマン系のアングロ・サクソン語に由来することとも関わりがあるかもしれない。  フランス人やドイツ人は、裸とヌードを使い分けず、同義語として用いている、という(本書より)。2013/06/15

きいち

4
裸は自然のものだから隠すべきじゃないと露出が増えているヨーロッパの、ヒッピー文化を生んでも根強い保守派を気にせざるを得ないアメリカに対する勝利の歴史。でも、両方、裸がエロいものだったら大っぴらにすべきものではない、というのは共通している。でも、自然さ、の中には性的なものも含まれるはず(だからこそ宗教儀式で力を持つのだから)。基本的に性的タブーが少なく裸があふれている日本と、隠すイスラムやキリスト教の場所、その時々で自由に選べるようになるのが一番理想だけど。2012/05/26

kk5

2
人が当たり前に持ちながら常に隠そうとする奇妙「裸」。表紙の写真も裸だらけですが日焼け跡を見れば普段は服を着ているのは明白なわけです。もっとも無防備だからこそ何より強いメッセージを与える裸を、芸術、信仰、反抗、暴力、宣伝、売名、露出癖、あるいは単なる悪ふざけまで様々な面から文化としてまとめた奇抜ながらも面白い本。日本で裸になる人といえば、エロな人もしくはアレな人という感じでしょうか。良し悪しはさておき宗教観は影響が大きそうだと感じました。あとゴダイバ夫人の絵は何度見てもエロいと思ってしまいます。2012/11/12

こひた

1
バラエティ番組で、ヌーディスト向け不動産屋の過労話をしていて、どんなものなのかなと。結構複雑な文化で宗派のような違いもあり、外から単純に捉えていたのは失礼だったと反省。2014/11/07

・・・と見た。

1
宗教的儀式の一つとして、隠しごとのない証明として、世間への反抗の象徴として、開放感を味わうため、人に見られることで満足感を得るため等々、裸の持つ様々な意味合いを知ることができる。同じ「裸になる」という行為が、場合によれば、従順と反抗といった全く反対の意味をもつこともある、という不思議な事実も含めて、これほどまでに多くの意味を持っていようとは考えもしなかった。日本で一般的な、「裸=はしたない、恥ずかしい」といった考えは一種の偏見であるということが分かる。また、写真が豊富でなかなか面白い。表紙にも圧倒される。2012/08/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4606224
  • ご注意事項