内容説明
犯罪者などの反社会的集団も、漂泊放浪の芸能民やサンカ、サンショの賎民たちも、隠語を生むことで矜恃と被差別を共有した。隠語のルーツと心意に遡る、初めての構造民俗学。
目次
マタギの山言葉とその心意
第1部 隠語とは何か(ルーデサックは隠語か;隠語と暗号)
第2部 隠語の諸相(ガメ松と山窩の隠語;尾佐竹猛の隠語研究)
第3部 隠語の心意(サンショ言葉をめぐって;朝鮮の白丁とシンペンイ)
第4部 隠語のルーツ(センボと隠語のルーツ;芸能と無頼)
改めて隠語とは何か
著者等紹介
礫川全次[コイシカワゼンジ]
1949年生まれ、在野史家。フィールドは、近現代史、犯罪・特殊民俗学。歴史民俗学研究会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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冬佳彰
12
在野の研究者による、ある種の社会集団で使われてきた「隠語」に関する本。副題にあるように、この辺は差別問題とも関わってくるため、詳細な紹介もちと難しいが、隠語とは何かから始まり、諸相、心意、ルーツへと展開する、真面目かつ丁寧な論説だった。考えたのは、このような隠語って、その使用者である集団が消滅するに伴い、消えてゆくものなんだろう、そして新たな社会集団が発生すると、また別の隠語体系も発生するんだろうなあ、ということだ。例えばネットを舞台にして?本邦の民衆の歴史としてアーカイブしてゆく意味は大きいんだろうな。2021/06/14
ぬのさと@灯れ松明の火
2
隠語を使用者から聞き取り→文章化→論文に引用される→辞書に掲載される、といった流れのなかで、誤植や解釈の誤りが見逃されたり、語の説明が微妙にズレてきたりするという指摘は、非常に重要だと思った。ただ、まあ、研究家ってのはどうしてこう、他人の説に喧嘩腰なのかねww2013/08/05
takao
0
ふむ2017/10/27