内容説明
血と謀略が渦巻く奈良時代。熾烈な権力争いを繰り広げる男たちの影で、一人の女の執念と野望が、後の世を変えていった…。藤原千年の繁栄、その礎を築いた不比等の妻、県犬養三千代の隠された真実とは?心の闇に分け入り、謎に包まれた時代の真相に迫る、歴史ミステリー。
目次
序章 藤原氏登場(懐かしさと切なさを宿すヤマト;誰もが昔のヤマトに戻りたかった? ほか)
第1章 天武の王家の悲劇(根絶やしにされた天武の王家;動乱と変革の時代に女帝が求められる ほか)
第2章 苦悩する県犬養三千代(「ミウチ」の権威を高めた藤原氏;なぜ藤原不比等は他を圧倒できたのか ほか)
第3章 県犬養三千代の無念(県犬養三千代の無念;大陸的な残忍性で権力を握った藤原氏 ほか)
第4章 天平の懺悔(藤原不比等亡き後の県犬養三千代の豹変;「朕が不徳」をくり返した聖武天皇 ほか)
著者等紹介
梅澤恵美子[ウメザワエミコ]
東京都生まれ。歴史作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keith
17
天武系が根絶やしにされてるとか、なかなかセンセーショナル。何度も言うけど、この時代を大河ドラマで取り上げてくれやんかな。ドロドロして面白そうやけど、謀略と暗殺の時代やし無理やろな。2021/01/23
Mana
1
梓澤要さんの橘三千代が良かったので他にも読んでみたくなって手を出してみたのだけれど、ちょっとイマイチだった。まず、小説だと思ってたら小説じゃ無かった。次に、今までの正史を覆す的な感じの本だった。実は鎌足は百済の王子(名前忘れた)で、橘三千代は夫を捨てて乗り換えたのではなく夫や息子を守るために藤原不比等の元に行ったとか。色々根拠も示していて、正しいかは分からないんだけど、なんか胡散臭く感じてしまう。また、歴史考証的な意義は置いておいて、一人の人物としては決して魅力的では無い。(アクが抜けると物足りない)2016/06/30
栗きんとん
1
仮説を立て、さまざまな方向から検証していくと、納得できる説がいろいろあって面白かった。蘇我に対する刷り込まれた情報、三千代に関するイメージも、見方を変えるとそうなるのかとうなづけることが多かった。2011/10/01
ルアット
1
日本の古代の歴史は公正な歴史的資料が少ないためか人によっていろいろな説があって面白い。この本は藤原氏を悪いやつとして描いている。なるほどと思えるところも多々あり、面白かった。2011/08/07