『忘れられた日本人』の舞台を旅する―宮本常一の軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309224442
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0039

内容説明

日本各地、文字通りの津々浦々を歩きに歩いた宮本の金字塔『忘れられた日本人』。その舞台一〇箇所を、二度三度ていねいにたどり直し、宮本が会った人、その縁者に取材し続けた、宮本民俗学を今につなぐ若き民俗学徒が脚で拓いた、新たなフィールドの紀行。

目次

1 ふるさとの島より―「私の祖父」「世間師(一)」山口県大島郡東和町長崎(現周防大島町)の旅
2 世間師に会いにゆく―「世間師(二)」大阪府河内長野市滝畑の旅
3 文字をもつということ―「文字をもつ伝承者(一)」島根県邑智郡瑞穂町田所鱒渕(現邑南町)の旅
4 篤農家の消えたあとで―「文字をもつ伝承者(二)」福島県いわき市平北神谷の旅
5 それぞれの「土佐源氏」―「土佐源氏」高知県高岡郡梼原町茶屋谷の旅
6 山に生きる人びと―「土佐寺川夜話」高知県土佐郡本川村寺川(現吾川郡いの町)の旅
7 海をひらいた人びと―「梶田富五郎翁」長崎県下県郡厳原町浅藻(現対馬市)の旅
8 島の文化―「対馬にて」「村の寄りあい」長崎県上県郡上県町伊奈・佐護・佐須奈(現対馬市)の旅
9 現代版「名倉談義」「名倉談義」愛知県北設楽郡設楽町名倉の旅
10 ふたたび島へ「女の世間」「子供をさがす」山口県大島郡東和町長崎・沖家室島、久賀町(現周防大島町)の旅

著者等紹介

木村哲也[キムラテツヤ]
1971年、高知県生まれ。高校卒業と同時に宮本常一『忘れられた日本人』と出会い、以後宮本の足跡をたどる旅をつづける。神奈川大学大学院歴史民俗学資料学研究科博士後期課程修了。博士(歴史民俗資料学)。2004年より周防大島文化交流センター学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

27
本当に羨ましい。宮本夫人アサ子さんをはじめ、ふらりと訪ねていって登場人物の縁者に出会えて話が聞けた時代(もちろん著者の本気度に動かされた部分もあったのだろうけれど)だったのだなあ、と。「忘れられた日本人」を一篇ずつ、他の作品を縦横無尽に渉猟しながら、各地で宮本が作り上げていった人のつながり、現実での課題解決への取り組みを追いかけていく。◇「粒粒辛苦」など「文字を持つ伝承者」たちの、文字を手に入れた喜びの過程が再現されている部分がとてもよかった。2019/08/25

ひこまる

8
著者の宮本常一へのリスペクトや執念には凄まじいものを感じたが、逆にベストセラー「忘れられた日本人」の足跡を辿った人がほとんどいなかったということにブームと言われながらも結局それほど評価されていなかったのではないかと何となく寂しかった。取材された1990年代はまだ当時の関係者もご存命だったので検証が綿密で「忘れられた日本人」の副読本として是非読んでもらいたい一冊。個人的には「名倉談義」1990年代Ver.が一番面白かった。21世紀Ver.も是非読んでみたいものだ。2013/04/28

Tonex

3
宮本常一ファンの学生が書いた底の浅い旅行エッセイだろうと思い全く期待せずに読んだら、とんでもない力作だった。すごい行動力。青春18きっぷを使い野宿をしながら行き当たりばったりの旅を続け、宮本常一が話を聞いた古老たちの親族全員にほとんどアポなしで会って話を聞き、とことん資料を調べ、プロ顔負けのルポルタージュを書く。これはインタビューやフィールドワークの素養のある人でないと書けない。これほど本格的なのに、周囲の仲間50人に配っていた個人新聞に、どうやら単なる趣味で書いていたものらしいので驚かされる。2014/11/20

のんき

2
宮本常一へのリスペクトの半端なさが読んでいてすがすがしかった。2011/07/16

カネコ

2
2009/06/02

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