内容説明
たたら師など、日本古来の製鉄にたずさわった金属の民は、どういう人々だったのか。河童、伊吹の弥三郎、戸隠の鬼女…などなどの伝承文学の視点も導入して、スリリングに追求する。金属民俗学の記念碑的名著。
目次
第1部 鍛冶屋の母(弥三郎婆;伊吹の弥三郎;酒呑童子;平将門;弁慶;戸隠の貴女;終章)
第2部 銅と鉄の旅(風を待つ人びと;千種の谷で;壬申の乱の一考察;鍛冶神の南下)
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年、熊本県に生まれる。東京大学文学部卒業。日本地名研究所所長
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感想・レビュー
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AR読書記録
6
鉄人は文字どおり鉄人だった... この本(の内容)が最初に世に出たのが1979年なので、今は状況はだいぶ変わっているかもしれないんだけど、でも私は気づいていなかったけど、確かに日本の民俗学は稲作文化に傾斜し過ぎ、金属文化を軽視している(た)な。鉄って今はごく基本的な金属の一つに過ぎず、もし製鉄工場を実際に見たらそれはそれでたぶんある種の畏怖を感じる光景には出会えるだろうけど、近代的工業に至るまでの長い間、人里離れた山奥で炎を操り自分の身と、命と引き換えのように産み出される鉄を想像するとぞくぞくするな...2016/03/15
Chihoish
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ひたすら谷川健一氏の著作にはまっております。鉄人伝説と鍛冶集団、そして弁慶や金太郎との関連、面白い面白い。一つ目が鍛冶と関連しているとか、面白い面白い。古代史はロマンですね〜2015/09/03
netakiri nekotaro
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日本中世説話に鉄人(アイアンマン)と鍛冶神(メタルゴッド)の痕跡を辿る、主著『青銅の神の足跡』姉妹篇。2014/03/03
noname
0
昔話「鍛冶屋の母」をはじめ、将門伝説や弁慶などに鍛冶神の面影を見出している。一見関係のなさそうなものに張り巡らされた共通点を辿っていく過程がスリリング2008/12/11