内容説明
ヨーロッパ史はギリシャ・ローマから始まるのではない。その基底に眠るダイナミックにして華麗なヨーロッパ人の始祖の神秘と謎に満ちあふれたケルト文化を追う。
目次
暗闇から出てきた民族
ローマの悪夢
アレクサンドロスの後継者たちとケルト人
四人のギリシア人がガリアを発見する
それはヴォルガ河畔で始まった
アトランティスが沈んだとき
ケルト・ヨーロッパの誕生
市民的な風貌の首狩族
死の管理人
ユリウス・カエサルの策略に満ちたゲーム〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユビヲクワエルナマケモノ
5
ケルト人の歴史にとどまらず、インド・ヨーロッパ語族の大移動から説き起こす大胆な仮説は読みごたえ十分。アトランティス伝説まで検証しているが、決してトンデモ本の類ではなく、古代史のラフ・スケッチとして有用だと思う。以下の筆者の姿勢は非常に賛同できる。「つるはしとして用いる仮説が必要になる。これを使えば、思いがけない見通しが開けて労働が報いられるだろうという希望を抱きながら、山の中に試掘坑を掘ることができる。こういう仕事をする者はもちろん、ただの石がごろごろ出てくるという結果をも覚悟しなければならない」2022/02/21
U-G.Kintoki
0
アトランティスは今のユトランド半島付近だったんだよ!2009/02/27
まふ
0
主としてケルトのローマ社会との戦いの歴史。期待していた通史とは異なった視点で書かれてあり、全体をきちんと把握するには不十分であった。表現がシニカルなものであるため、すんなりとアタマに入って来にくい。ひねりを利かした文章もTPOが必要ということか。しかし、ケルトもゲルマンもある意味で不分明な部分があることや、アーサー王の伝説からパーシヴァルへとさらにパルツィヴァルになっていくという説明は極めて納得的。ヴォルフラムエッシェンバッハの作品をきちんと読む必要があるか。2004/02/26