内容説明
日本からアジアへ連続する「東北」的個性。かつて“まつろわぬ民”“東夷”として中央と対峙し、自らの歴史的個性を形成してきた日本の「東北」とアジアの「東北」―。地理的特性を有する二つの地域のさまざまな異同を検証すべく、考古学・文献史学・民族学・民俗学等を駆使して描いた、「辺境論」を越える学際的論集。
目次
列島における東北世界の成立―東北論への考古学的アプローチ
蝦夷論と東北論
三つの奥州征伐―日本前近代史における東北の位置
近世前期における北奥の狩猟―盛岡藩領の事例を中心に
幕末幕府の蝦夷地政策と東北諸藩の動向―阿部政権との関連で
日本近代史における「東北」の成立
東北開発を考える―内からの開発・外からの開発
中国の東北
アイヌ紋様からみた現代アイヌの世界(儀礼と礼装;アイヌ紋様で自己表現をめざす)