内容説明
19世紀以来アジアに確固たる地歩を築いた西欧列強、不安定な経済ゆえに海外進出を余儀なくされる後発国日本。満州事変、日華事変、太平洋戦争と続く昭和の戦争をそれぞれの局面で分析し、総括的な歴史として描いた大著。
目次
第1部 アジアの抗争
第2部 海洋での角逐
第3部 戦局最高潮
第4部 日本の敗戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
52
6月中旬から読み始めてようやく読了。いわゆるアジア・太平洋戦争についてのものだが、日中の歴史とその関わり、列強を含む国際関係から説き起こす。また、イギリスの著者らしく、途中にかなり丹念にインドに関する記述があるのが特徴的。極めて丁寧かつ客観性を保とうとしている著作で、いわゆる善玉悪玉論になりやすい部分についても冷静に評価している。例えば真珠湾についても陰謀説を排し、「騙し討ち」という視点の強調もない。原爆投下についての評価も批判的。でも日本の問題点はやや軍国主義批判傾向が強いが鋭くえぐり出している。2020/09/02