内容説明
魑魅魍魎、跳梁跋扈。闇の世界、異界人の列伝絵巻。異界の絵師・南伸坊のイラスト付き。
目次
スサノヲ―三界を旅する“異貌の神”
八岐大蛇―自然と土着民のシンボル
ヤマトタケル―白鳥に変身した悲劇の英雄
小子部栖軽―怪力・知力を備えた異界の主
聖徳太子―未来を語り伝える予言者
役小角―山民“呪術者集団”のリーダー
吉備真備―鬼から秘術を授けられた超人
空海―不死の姿で生き続ける名僧
菅原道真―神霊の両義性をもつ神の子〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
34
「異界」に関係した人物や「異界」に潜む妖怪変化たちの身元調査列伝。スサノオ、八岐大蛇、ヤマトタケルなどから始まり、菅原道真、安倍晴明、妖怪では酒呑童子、土蜘蛛、河童などなど、最後のほうではねずみ男、口裂け女、アキラにナウシカなど。南伸坊のイラストも楽しめます。巻末には異界用語集なる一寸した辞典も添えられております。2010/12/13
藤月はな(灯れ松明の火)
8
異界と関わりのあるものや人々からは「異なっている」と思われており、後の異界研究の軌跡を作り上げたりもした人々を著者独自の考えを交えて調査した本。河童などのポピュラーな妖怪だけではなく、織田信長やナウシカなどにも焦点を当てていて興味深いです。宮部みゆきさんの「あんじゅう」の挿画を担当した南伸坊氏が異界の者たちのユーモラスな挿画を描かれていて嬉しいです。「今日の研究者は生の異界を伝えず、分析ばかりだ」という耳の痛い指摘もありましたーー;最後の異界用語集では中上健二氏が御在命であることに20年の隔たりを感じます2011/12/17