出版社内容情報
英国人作家が見出し、世界中が魅了された「豊かで美味しい」南仏プロヴァンス。あの頃と今、25年を振り返った著者の遺作。
内容説明
生きる歓び、エピキュリアンの幸福。イギリス人のユーモア、フランス人のエッセンス。シリーズ累計100万部以上、英国人作家が描き世界中を魅了した美味しいエッセイ。
目次
思い起こせば
終の住処
親近
第二印象
フランス人の礼儀作法
フランス語を少しずつ
エリゼ宮の晩餐
追憶と記憶の隔たり
今日はいい天気
真夏の夜の幸
昼休みに
みんな読んでいる
病気をするのにいいところ
村の鼓動
寸景
天気予報
盲導犬
夏の大侵略、秋の大脱走
ハリウッドがプロヴァンスにやってくる
夏の兆し
ナポレオンの贈り物
著者等紹介
メイル,ピーター[メイル,ピーター] [Mayle,Peter]
1939年生まれのイギリス人。ニューヨークの広告会社に勤めたが、性教育絵本『ぼくどこからきたの?』が成功し会社を辞める。1980年代に南仏プロヴァンスへ移住。2018年1月没
池央耿[イケヒロアキ]
1940年、東京生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AN
20
『南仏プロヴァンスの12ヵ月』『木陰から』『昼下がり』に続くエッセイ。25年前と現在のプロヴァンスの生活を描いているが、嬉しい事にプロヴァンス気質は現在も健在のようだ。これまでに上梓した三冊のエッセイと、何冊かの小説の裏には、実は沢山のエピソードがあったのだと改めて気づかされた。作品を読んできたファンも、初めて本書を手に取る読者も、著者の目線を通した暖かく生き生きとしたプロヴァンスの世界へ誘ってくれる。残念ながらこの本が著者の絶筆となってしまった。今や南仏を扱うガイドブックにメネルブやリュベロンの地名が2022/12/12
羽
17
フランスの田舎のゆったりとした甘美な暮らしが伝わるエッセイ集。南仏プロヴァンスと現代のわたしたちとでは、時間の流れ方がまるで違いました。「矍鑠たる」や「庶幾う」など見なれない言葉が時々出てくるので、どんな方が翻訳されているだろうと思ったら、なんと今年80歳を迎えられる翻訳家のお方でした。ピーター・メイル氏とは一歳違い。きっと原文で読んでも老紳士らしい文章なのだろうな。一つひとつの日本語に足止めされるエッセイは好きです。あとがきの文章にも惚れました。2020/02/25
たま
16
2019年刊。著者が南仏(と言っても海岸ではなく、エクスの北の高原地方)に別荘を買いその顛末を書いた「南仏プロヴァンスの12ヶ月」(1993)は、フランスの風物や英仏の異文化問題の描写が巧みで、楽しく読んだ記憶がある。この本はそれからの25年を振り返り、93年移住当時の熱気はないものの、穏やかに昔ながらのプロヴァンスの暮らし(パスティス、ペタンク、マルシェ…)を語っている。通過統一も英国の離脱も影も形もなし。梅雨明けで勢いづいたセミの声を聞きながら読み、ヴァカンス気分を味わった。2020/08/02
DEE
14
この南仏プロヴァンスシリーズが出てから、もう25年にもなるのか。 初めて読んだのは学生の時で、海外に興味を持つきっかけとなった一冊でもある。 イギリスからプロヴァンスへ移り住んだ著者は、習慣の違いにときに戸惑いながらも、ゆっくりとプロヴァンスに慣れ、生活を楽しむようになっていく。そんな長い時間が凝縮された遺作。2020/01/06
カタコッタ
11
著者は2018年に亡くなられて本書が遺作となったそうだ。『南仏プロヴァンスの12ヶ月』を子育て中に読んだ記憶がる。しゃれたユーモアと生活を楽しむ余裕、翻訳の面白さ。久しぶりにエッセイで楽しめました。2020/05/28