服従

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309206783
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

2022年仏大統領選。極右・国民戦線党首を破り、イスラーム政権が誕生する。シャルリー・エブド事件当日に発売された予言の書。

【著者紹介】
1958年生まれ。現代フランスを代表する作家。長篇『素粒子』がセンセーションを巻き起こし、世界各国で翻訳される。ほかに『闘争領域の拡大』『ある島の可能性』など。最新作『地図と領土』でゴンクール賞受賞。

内容説明

2022年、フランス大統領選。既成政党の退潮著しいなか、極右・国民戦線党首マリーヌ・ル・ペンと穏健イスラーム政党党首モアメド・ベン・アッベスが決選投票に残る。投票当日、各地の投票所でテロが発生し、ガソリンスタンドには死体が転がり、国全体に報道管制が敷かれる。パリ第三大学で教員をしているぼくは、若く美しい恋人と別れてパリを後にする。自由と民主主義をくつがえす予言的物語、英語版に先駆け、ついに刊行。

著者等紹介

ウエルベック,ミシェル[ウエルベック,ミシェル] [Houellebecq,Michel]
1957年生まれ。1998年長篇『素粒子』(ちくま文庫)が大ベストセラーとなり、世界各国で翻訳・映画化される。現代社会における自由の幻想への痛烈な批判と、欲望と現実の間で引き裂かれる人間の矛盾を真正面から描きつづける現代ヨーロッパを代表する作家。『地図と領土』(ゴンクール賞受賞、筑摩書房)

大塚桃[オオツカモモ]
現代フランス文学の翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

220
図書館の予約に大幅に出遅れて、ようやく読めました。ミシェル・ウエルベック、初読です。現在のロンドン市長がムスリムだったり、過去の歴史でヨーロッパの一部がイスラムに征服されたことを考えると、近い未来に十分ありうる内容だと思います。澁澤龍彦訳で昔読んだ「O嬢の物語」における服従とイスラム教における服従がイコールという解釈には大変ビックリしました。いずれにしても諸悪の根源は、他者に不寛容な一神教に間違いないですが、2000年以上に渡って対立しているので、21世紀に解決・和解することはありえないんでしょうネ(笑)2016/07/10

ケイ

151
フランス社会は、左よりになると極右も強くなるそうだ。そしてフランス人は、極右が強いのは恥だと一般的に言う。ユダヤ人を攻撃することは、ナチを憎むフランス人は表面的にはするわけがない。その心理をうまくついている。しかし、あり得ない。一種のSFだ。あまりにも滑稽。イスラム教にアレルギーがおありかもしれませんが、改宗すれば妻も何人も持てますよ。思ったほど窮屈でもありませんよ。ときましたか。クンデラは「冗談」で不条理さを哲学的に昇華させたが、ウエルベックは滑稽さを呈示したに過ぎないように思う。2016/04/18

Miyoshi Hirotaka

107
トゥール・ポワティエ間の戦いで、イスラム勢力の侵略を阻止し、グラナダ陥落後はイベリア半島を回復した。以降、ヨーロッパの戦争は、新教対旧教に王位継承が絡む身内の戦い。航海技術と産業革命でイスラム圏を含むアジア・アフリカを圧倒し、世界中の富を集中させた。2度の大戦の反省から、戦争防止の仕組みが構築されたが、異民族の流入で、ヨーロッパは崩れつつある。過激な民族主義政権で国のかたちを回復するか、潤沢なオイルマネーに支えられたイスラム政権に順応し、服従するかという選択がやってくる。その時、知識や教養は無力化する。2017/11/14

Vakira

102
ウェルベック最新作にて初体験。2022年の近未来のフランス。議員選では、テロによる妨害、殺戮、大統領は穏健派イスラーム教信者となり、フランス国内の生活は徐々にイスラーム化していく。現実にフランスにてイスラーム過激派の殺戮テロが実際に起こる前に書かれた預言書のようだ。しかしこの小説では殺戮の酷たらしい情景は一部表現あるがそこに焦点を当てた物語ではない。イスラーム化というあり得ない状況を次第に受入れるという主人公の葛藤と洗脳の物語。イスラーム社会では男女別学、女性はベールを被る。 2016/05/13

Tui

94
フランスがイスラム政権の国になる。この設定は一見、荒唐無稽だ。だが希望的な将来像を描けなくなった国民が、もしも過激な極右政党と、穏健なイスラム同胞党のいずれかに国を委ねることになったら、果たしてどちらを選ぶだろうか。一神教の揺るぎない価値観と、オイルマネーのバックボーンという盤石の安定感が、ヨーロッパを包む不安感の隙間から浸透してゆく様子が実にリアル。(私の価値観からは『服従』そのものとしか思えぬ)この物語下のフランスに生きる女性の視点から描く物語がもしあったら、ぜひ読みたい。2017/04/02

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