モレル谷の奇蹟

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  • サイズ A5判/ページ数 126p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784309206738
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

出版社内容情報

「聖女リータの奇蹟に感謝して捧げられた奉納画」という設定で創られた画文集。虚実ないまぜのシュールなナンセンス世界が炸裂!

【著者紹介】
1906-72年。イタリアの作家。幻想的で不条理と不安を暗示する作風は「カフカの再来」と言われる。代表作に『タタール人の砂漠』『七人の死者』『待っていたのは』『スカラ座の恐怖』等がある。

内容説明

沈没する船、不吉な山老人、海の大蛇、空飛ぶクジラ、巨大な化け猫、燃え上がる建物。聖女リータに捧げられた幻の奉納画とは―虚実が分かちがたく絡み合った物語世界を、ペンと絵筆によってあらわしたブッツァーティ最後の傑作。

著者等紹介

ブッツァーティ,ディーノ[ブッツァーティ,ディーノ] [Buzzati,Dino]
1906年、イタリア、ヴェネト州のベッルーノに生まれる。ミラノ大学を卒業後、新聞記者となり、その間に特派員として赴いたアフリカや中近東での体験が小説にも色濃く影響している。1933年、『山のバルナボ』で作家デビュー。1958年、既刊短編や新作を編んだ短編集『六十物語』でストレーガ賞受賞。現代イタリア文学を代表する作家のひとりとされている。「物語」の手段として絵画も多く手がけ、画家としても知られる。1972年、ミラノで死去

中山エツコ[ナカヤマエツコ]
1957年東京生まれ。東京外国語大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。ヴェネツィア大学文学部卒業。現在ヴェネツィア大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nuit@積読消化中

84
海獣、化猫にUFOや悪魔に幽霊、吸血鬼やロボットに宇宙人まで!ワンダーウーマンばり聖女リータが16世紀から20世紀前半にかけて起こる難事件を奇跡の解決に導きます。最後の解説にて実は展覧会にも出版もされていないもう1点の奉納画が存在することを知りました。著者の病状が悪化した際に担当した医師に献じられたものらしい。解説を読んで本当に涙しました。是非とも未読の方は解説必読で読んで欲しいです。何度も読み返すであろう素晴らしい作品でした!2016/04/27

(C17H26O4)

81
ブッツァーティの人間的、芸術的、精神的遺言状であるというこの本は、作者の上級者ファン向けの本だと思う。著作を数冊読んだだけのわたしにはとてもこの本の魅力を味わい切ることはできなかった。作者が父親の蔵書のノートに見つけた「聖女リータの驚くべき奇蹟」に興味を持ちモレル谷を尋ね、そこで見た数々の奉納画を再現した、という体。明らかな虚構なのだが尤もらしい説明がついているので、真実味を感じてしまう不思議さがある。理解を深めるためには解説は必読。作者の死後に聖女の祠がつくられて、虚構が現実となったエピソードなども。 2021/05/04

harass

69
この表紙絵を読メで見た覚えがあって、図書館で偶然に見つけて読む。聖女リータが起こした架空の39の奇蹟を文と絵で描く。幻想小説で有名な著者であるが、彼の遺作だそうで、かなり自由でシュール。聖女リータは実在の人物であるがこの中の奇蹟はどう考えても時代も違うものもある。突拍子もなくほとんど説明がない。著者自らの描く絵のタッチが数種類あり妙にセクシーなものもある。2017/06/14

NAO

63
16世紀から20世紀初頭にいたる聖女リータのご加護に捧げられた39枚の奉納画とそれにまつわる話は、あるものはシュール、あるものは眉唾もの、あるものはエロチック。虚構と現実がないまぜになった不思議な信仰の話は、信仰に懐疑的だったブッツァーティの最後を飾る辞世の句のようなもの。病による死を前にして、聖女リータは彼にとって最後の望みだったのだろうか。2017/05/02

まさむ♪ね

47
はじめに語られる素晴らしい「いきさつ」でもう完全に現実と虚構の区別がつかなくなる。そしてその感覚そのままに、恐ろしい、身の毛もよだつ、けったいな、エロティックな、エロチックな?いやエロチックチックな災厄に襲われてしまうのだ。でも大丈夫、なんてったってわたしたちには無敵の聖女リータがついてるから。P.G.R。「空飛ぶクジラ」の絵が好き。「追いかける熊」がおもしろかった。「肉体に入り込む悪魔たち」はとくにエロチックチックチック。MMXV。2015/06/07

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