いまファンタジーにできること

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  • サイズ B6判/ページ数 192,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309205717
  • NDC分類 934
  • Cコード C0098

出版社内容情報

『指輪物語』『ドリトル先生物語』『少年キム』『黒馬物語』など名作の読み方と、ファンタジーの可能性を追求する最新評論集。「子どもの本の動物たち」「ピーターラビット再読」など。

著者
アーシュラ・K・ル=グウィン (ル=グウィン,アーシュラ・K)
1929年カリフォルニア州バークレーに生まれる(父、アルフレッド・L・クローバーは世界的に著名な文化人類学者。母、シオドーラ・クローバーは作家で『イシ――北米最後の野生インディアン』の著者として知られる)。歴史学者チャールズ・ル=グウィンとの結婚後の1962年に作家としてデビュー、斬新なSF/ファンタジー作品を次々に発表して、ほどなく米国SF界の女王ともいうべき輝かしい存在になった。SF/ファンタジー以外の小説、児童書、詩、評論においても高い評価を受けている。ネビュラ賞、ヒューゴー賞など、SF分野の重要な賞を何度も受賞したほか、ボストングローブ=ホーンブック賞、全米図書賞、PEN/マラマッド賞など数々の栄誉に輝く。代表的作品に『闇の左手』、『所有せざる人々』、「ゲド戦記」シリーズ『なつかしく謎めいて』ほか。

谷垣 暁美 (タニガキ アケミ)
1955年大阪生まれ。ニューヨーク市立大学ハンターカレッジ大学院修士課程修了(英語教育法専攻)。1988年から雑誌記事や英米の小説、ノンフィクションの翻訳に従事。訳書に、『なつかしく謎めいて』、ルドルフ・E・タンジ、アン・B・パーソン『痴呆の謎を解く』(文一総合出版)、ヴィレム・エルスホット『9990個のチーズ』(ウェッジ/共訳)、ジェフリー・フォード『白い果実』(国書刊行会/共訳)、ジョゼフ・ルドゥー『シナプスが人格をつくる』、デイヴィッド・ヒーリー『抗うつ薬の功罪』(共にみすず書房)ほか。

内容説明

ジャングル・ブック、ピーターラビット、ドリトル先生、指輪物語、ゲド戦記から、ハリー・ポッターまで。ファンタジーや児童文学の名作・話題作を読み解きながらその本質に迫る、巨匠の最新評論集。2010年ローカス賞受賞。

目次

ファンタジーについて前提とされているいくつかのこと
内なる荒野
ピーターラビット再読
批評家たち、怪物たち、ファンタジーの紡ぎ手たち
子どもの本の動物たち
YA文学のヤングアダルト
メッセージについてのメッセージ
子どもはどうしてファンタジーを読みたがるのか―食べるものに注意しましょう

著者等紹介

ル=グウィン,アーシュラ・K.[ルグウィン,アーシュラK.][Le Guin,Ursula K.]
1929年カリフォルニア州生まれ。コロンビア大学などで、ルネサンス期のフランス文学・イタリア文学を専攻。1969年に長篇『闇の左手』でヒューゴー、ネビュラ両賞を受賞し、高い評価を得る

谷垣暁美[タニガキアケミ]
1988年から翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Die-Go

63
図書館本。追悼ル=グウィン。ファンタジー文学に対するル=グウィンによる評論集。想像の産物であるファンタジー文学は得てして子どものためのものととられることが多い。確かに想像力とは子どもの豊かな特権であると言っても差し支えないだろう。しかし、それは大人にとっても許されることではないだろうか?ル=グウィン女史は本書の中でちょっと辛口な意見もさしはさみつつ、その事について論評している。分かりやすい文章で楽しんで読めた。★★★★☆2018/02/03

レモン

52
確かに私も含めミステリ好きは掃いて捨てるほどいるけれど、まず最初にファンタジー好きと言う人は少ないかもしれない。日本ではアニメやゲームのおかげでもっと身近な存在だとは思うけれど。メッセージを伝えるために作品を作っているのではない、と仰られていたのが刺さった。そりゃそうですよね。「作者が何が言いたいのかわからない」「作者がこのセリフで伝えたかったこと」などの声は何か違うと感じていたので。『ゲド戦記』読まねば。2022/06/07

帽子を編みます

47
ル=グウィンのファンタジー論、彼女のスピーチ、エッセイ、講演をもとにした論考をまとめたものです。ル=グウィンの広範な知識、読書、論考、根拠に基づいた批評に圧倒されます。「子どもの本の動物たち」、動物文学の作品が取り上げられ具体的な検討がされます。今までとは全く違う視点気づきがあり興奮させられました。「YA文学のヤングアダルト」これを読んだら、『ゲド戦記』全巻を読みたくなります。作品誕生のアイデア、背景、こんなスピーチを聞いたなら拍手が止められなくなりそうです。オマケのスーパーマウス、猫の絵、愛があります。2023/09/29

ぱせり

26
ファンタジーを読むことは、現実からの逃避の手段であるはずがない。ファンタジーは他の文学に劣るものではない。この本を読むほどにジャンルを超えたあらゆる本たちに共通することの多さに驚く。物語の真価を見極められる読者でありたい。読み返すたびに世界が豊穣に広がっていくような本と出会う喜びを大切にしたい。 2014/11/17

牛歩

20
タイトルの、「ファンタジーにできること」というよりは、ファンタジーの力の再確認といった感じだろうか。/「わたしは書き手だ。ケータリング・サービスをやっているんじゃない。」(p169)という言葉に小気味よさを感じつつも、その底にある覚悟の大きさを想像し敬服。(※欄に続く)2013/08/09

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