内容説明
「生きることを愛し、死ぬことを憎みたい―」彼女が“ソンタグ”になる前の一人の女性の凄烈な姿が、ここに。20世紀アメリカを代表する知識人による、14歳から30歳までの日記とノート。激動する時代と個人のあらわな記録。
著者等紹介
ソンタグ,スーザン[ソンタグ,スーザン][Sontag,Susan]
1933年生まれ。二〇世紀アメリカを代表する批評家・作家のひとり。2004年他界(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
108
「日記帳どこにあるか知ってるわよね」の言葉を息子に遺し、71歳で他界したスーザン・ソンタグの14歳~30歳までの日記(続刊あり)。16歳のときに「このノートブックで語りなおした時間のなかで私は生まれなおしている」と記しており、それが表題になっている。ソンタグは早くに結婚するもののその期間は意外と短い。その後同性愛のパートナーがたびたび登場し、感情を表出させている。女のセクシュアリティとオルガズムの探求の記述もあり、それはそれで興味深い。読者としては、彼女が、どんな本を読み、どんな映画を観たか。→2021/08/07
ネギっ子gen
53
【子供状態になると、私は力が弱くなる――傷つきやすく、被害者の面が強くなる】ソンタグによる、14歳から30歳までの日記とノート。16歳の日記では、<純粋に肉体的なこととして最大の歓喜を経験すること。それがどんなに力になるか(「心の絆」なんてあってもなくても)、今は知っている、むろん、「心の絆」は望ましいものではあるけれど……アイリーンはすんでのところで私を滅茶苦茶にするところだった――レズビアンであることについて私がいつも抱いてきた罪悪感の芽生えを固定化させ――自分をみっともないと思い込ませ――>と。⇒2024/02/18
Bartleby
14
他人の日記を読むことにはいつもちょっとした罪悪感が伴う。特に、強い人だという印象のある人のものほど、それを感じる。きっとその人の悩みを興味本位で覗いているという自覚があるからだろう。この本はソンタグの死後、残された14歳から30歳までの日記が編集されたもので、著作では見せていないソンタグの迷いや弱さまで赤裸々に書かれている。この本を読み始めたのも好奇心からというところがあったけれど、貪欲に知識を吸収し、自己や他者を見つめ、生まれなおそうとし続けるソンタグの姿に、読んでいて背筋が伸びる思いがしました。2013/01/31
春ドーナツ
11
ソンタグさん没後、(故人の希望により)彼女が執筆した全ての文書が図書館に寄贈されることになった。その中に「日記」も含まれていた。息子は思い悩んだ末、自身で編集し本書を刊行することにした。さて。ソンタグさんは日記の公表に関して何を思うのだろう。モーテルの覗き魔みたいな、ある種の背徳感を感じながら本編を読み進めることになる。2017/05/22
ののまる
9
30歳までの日記。さすがに、なんて早熟なんでしょう。2020/03/09