半分のぼった黄色い太陽

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半分のぼった黄色い太陽

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  • サイズ B6判/ページ数 506p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309205519
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

私たちが死んだとき世界は沈黙していた。数百万人の犠牲者が出たといわれるナイジェリアのビアフラ戦争。この内戦の悲劇を、スリリングなラブストーリーを軸に、心ゆさぶられる人間ドラマとして描きだす。英語圏でいま最も注目されているナイジェリア作家の長編初邦訳。史上最年少でのオレンジ賞受賞作。

著者等紹介

アディーチェ,チママンダ・ンゴズィ[アディーチェ,チママンダンゴズィ][Adichie,Chimamanda Ngozi]
1977年、ナイジェリア、エヌグ生まれ。大学町スッカで育つ。イボ民族の出身。ナイジェリア大学で医学と薬学を学び始めるが、19歳で奨学金をえて渡米。ドレクセル大学、東コネティカット大学で政治学とコミュニケーション学を学び、次々と作品を発表しながらジョンズ・ホプキンズ大学クリエイティヴ・ライティングコースで修士を修める。ストーリーテラーとしての天賦の才に恵まれ、抜群の知性としなやかな感性で紡ぎ出される繊細で心にしみる物語は、2003年にO・ヘンリー賞や、PEN/デイヴィッド・T・K・ウォン短編賞を受賞(受賞作は日本オリジナル短編集『アメリカにいる、きみ』所収)

くぼたのぞみ[クボタノゾミ]
北海道生まれ。翻訳家、詩人。東京外国語大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

115
Twitterでも評判の作家で名前は知っていたが、ようやく初読み。日本の世界史教育って欧米中心なのが痛感。アルジェリアがフランス支配だったのは知っていたが、ナイジェリアが英国支配というのを知らなかった。現在のナイジェリア建国の過程をこの作で知る。これは英語で書かれたのか。凄い才能。アフリカ人がアフリカを描いた小説を初体験。今までは欧米人視点のアフリカものしか知らなかった。訳者の方は視点人物を三人としているが、オランナを含めて4人かな。リチャードがフォーサイスなのか。(続)2019/10/24

ふう

102
物語の舞台はビアフラ共和国、1967-1970の3年間だけ存在した国です。その3年間はちょうどわたしの高校時代と重なり、ビアフラの子どもたちのやせ細った足と膨らんだお腹の写真を見て衝撃を受けたことを思い出しました。数百万人が餓死したとも伝えられ、悲劇のイメージだけが残っていましたが、当然そこには人々の暮らしがあり、家族や恋人への愛情、友情があり、民族の伝統や誇り、そして葛藤もあります。日常のすぐ隣にクーデターがあり、戦争があり、賢明さも醜さもあり、それらがていねいに描かれた重厚な作品でした。タイトルの→2019/08/28

アキ

79
1960年ナイジェリア独立。イボ人虐殺とクーデターの後1967年ビアフラの分離独立。半分のぼった黄色い太陽はビアフラ国旗に描かれ、栄光に満ちた未来を意味する。しかしこの小説は召使と双子の妹、イボ人側の白人の視点で、戦乱に巻き込まれていくアフリカの人々の生活を同国人が書いた生活や会話のリアルが何より際立つ。印象的なのは開放的な性。死が日常に満ちているからこそ、生を感じたいと思うのであろう。どんな貧窮した状況でもたくましく生きようとする生命力を感じる。著者の祖父たちはこの戦争を生き延びることはできなかった。2020/03/15

metoo

70
1967年から70年にかけて起きたナイジェリアの内戦ビアフラ戦争を背景に、イボ人の裕福な家庭に生まれ英国で教育を受けた双子の姉妹オランナとカイネネ、そして大学で数学を教えるオデニボと革新的な思想を持つ仲間達、そしてナイジェリアの古美術に魅せられた英国人リチャード、そしてオデニボの家で働くハウスボーイのウグウらの生活を日常を愛を憎しみを繊細に鮮やかに浮かび上がらせる。人を愛しそして生き抜く人間の力に国境はなく遠い国ナイジェリアを身近に感じられる一冊。ナイジェリアと米国から発信するこの若い作家から目が離せない2016/08/17

らぱん

68
面白かった。500頁2段組を一気に読んだ。物語が生き生きとして人物に現実感がある。1960年代ナイジェリアの内戦「ビアフラ戦争」を背景にした恋愛小説で、営為としてごく当たり前に生と死が描かれている。ちょっとした言い回しで自覚のないエゴイズムやレイシズムが表現され、なおかつそこには愛情や思いやりも共存するというような、人間の複雑な心の在り様の描写に感心した。文化、宗教、民族、言語、性別、人種などの対比や対立から見えるのは、差異よりも類似であり、つまるところ個人に還元され、どう生きるかという問いになる。↓2019/08/07

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