シムノン本格小説選
マンハッタンの哀愁

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309205342
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

孤独と苦悩と幻滅の極にあった中年の男女が、ある夜マンハッタンの場末のバーで偶然出会い、三流ホテルの部屋で互いの過去を忘れるかのように激しく求め合う。恋と激情と再生の物語。

内容説明

フランスの著名な舞台俳優フランソワ・コンブは、若い劇団俳優と関係を持った女優の妻と別れ、第二の人生を求めてニューヨークに来ている。ある夜、場末の軽食堂で出会ったケイと一晩中飲み続け、三流ホテルの部屋でそれぞれの人生を忘れるかのように身体を求め合う。女の意想外の過去、嫉妬と激しい諍い…。安ホテル、男の部屋、そして謎に満ちた女の部屋、マンハッタンの三つの部屋を舞台に繰り広げられる、自伝的要素の濃い、激しい恋と再生の物語。

著者等紹介

シムノン,ジョルジュ[シムノン,ジョルジュ][Simenon,Georges]
1903‐1989。フランスの小説家。ベルギーのリエージュの貧しい家庭に生まれる。15歳で学校をやめ、パン屋、本屋などに勤めた後に16歳で地方紙の記者になり、18歳で処女作『めがね橋で』を発表して作家デビュー。26歳で発表した『怪盗レトン』からはじまる“メグレ警視シリーズ”は八十四篇を数え、各国語に翻訳されて世界的な名声を博す。生涯で三百点を超える作品を発表

長島良三[ナガシマリョウゾウ]
フランス文学翻訳家。1936年東京生まれ。明治大学仏文科卒業。早川書房編集部を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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星落秋風五丈原

20
よしながふみの漫画『アンティーク』で小野が「始まって15分で二人は知り合ってセックスして残りの1時間45分はずっと喧嘩してる」と評していたフランス映画そのものの筋立て。シムノンの実体験をほぼそのまま小説化したそうで出版されるなりベストセラー。フィクションでは妻が先に浮気したことになっているのはせめてものエクスキューズか。恋愛相手の経験値や動向は気になるくせにいなくなるとちゃっかり行きずりの恋をするのは男ならでは。そして思いっきり主人公の自己弁護度高し。いい気になってますね。2015/11/03

bapaksejahtera

11
シムノンが渡米後の1946年、初めて発表した小説。メグレものではなく犯罪小説でもない。妻に浮気されたフランスの中年俳優が当てもなくニューヨークに渡り、そこで30過ぎの女と恋愛関係に陥るという、私には全く得手ではなく、シムノンでなければ手にも取らなかっただろう小説。登場人物の男女夫々に全く共感の得られない作品であったが、あっさり読み切ってしまったのは、原作者と翻訳者への慣れなのだろう。恐るべきことだ。兎も角も作中の二人の関係は暫くは続きそうな明るいエンディングであったのが救いである。2023/09/28

7kichi

2
とても静かなシムノン。2010/04/23

kotatsu

1
孤独というのは意外と居心地が良くて、そこから抜け出し先を歩くことは難しい。2011/10/18

ワッピー

1
マンハッタンの暗い片隅で哀しい魂が求めあい、傷つけあう。ああ、大人の孤独、そして・・。2011/10/01

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