• ポイントキャンペーン

シムノン本格小説選
倫敦から来た男―シムノン本格小説選

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 189p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309205267
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

北フランスの霧深い港町、転轍手マロワンは毎晩、漆黒の海と港湾駅を監視する平凡な日常を送っている。ある晩、目の前で殺人を目撃し、思わぬ大金を手にする。運命の歯車が徐々に狂って行く。

内容説明

彼は毎晩“ガラス張りの檻”から海峡の彼方を見つめていた。男は海峡を渡ってやって来た。平穏な生活を襲った運命の亀裂。霧深い北フランスの港町を舞台に、さまざまな人生が交錯する。生と死、罪と罰、欲望と祈り、幸福と不幸…極限の心理の襞を繊細に描ききって人間の存在の本質に肉迫する、シムノン文学の傑作。

著者等紹介

シムノン,ジョルジュ[シムノン,ジョルジュ][Simenon,Georges]
1903‐1989。フランスの小説家。ベルギーのリエージュの貧しい家庭に生まれる。十五歳で学校をやめ、パン屋、本屋などに勤めた後に十六歳で地方紙の記者になり、十八歳で処女作『めがね橋で』を発表して作家デビュー。二十六歳で発表した『怪盗レトン』からはじまる“メグレ警視シリーズ”は八十四篇を数え、各国語に翻訳されて世界的な名声を博す

長島良三[ナガシマリョウゾウ]
フランス文学翻訳家。1936年東京生まれ。明治大学仏文科卒業。早川書房編集部を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

空猫

28
【海外ミステリマストリード20/100】英仏海峡の仏側の港町で判を押したように生きてきた定年間際の男。妻の愚痴も娘の不安定な生活も飲み込んでつましく生きてきた。ある日スーツケースを巡っての殴り合いを目撃してしまい…。メグレ警部シリーズでなくこの作品を選んでいるのは何故なのか?ミステリというよりも人間ドラマではないか。場面がコロコロ変わるし、男の葛藤や気持ちの変化について行けず、あまり楽しめなかった。2019/09/11

藤月はな(灯れ松明の火)

28
慎ましやかな生活を送っていたがある日、犯罪を目撃し、お金を奪ったマロワン親子。小市民のマロワンが一つの罪を隠蔽するために男を監禁して衰弱させた後に暴行して死に至らしめ、自白するしかなかったまでの心の機微の高低の仕方や過程が実験者のような視点で描かれているためか、ささやかだった時が幸せだったとしみじみに感じずにいられないラストが無情すぎます。2013/03/17

ゆき

21
たまたま転がり込んだ大金が不幸の始まりだった、文句を言いながらも地道に転轍手の仕事をしていたほうが… ちょっとした気の迷いが人生を駄目にするんだなと思った。2022/11/30

みみずく

18
「運命の小説」と呼ばれるジャンルの本格小説。平凡な転轍手のマロワンが殺人を目撃。その被害者が落としたスーツケースをひろって見たら大金が入っていた。殺人を目撃したことや大金をネコババしたことがばれたらどうしよう…と気が気でなくなったかと思えば、高価なパイプを買ったりして気が大きくなったりとわかりやすく身近に感じる描写である。だからこそ実は平凡な日常もギリギリの淵の上にあるようなものなんだと思った。2014/10/09

bapaksejahtera

13
1934年のノン・メグレ犯罪小説。舞台はドーバー海峡をに向き合うフランスの町。鉄道員で転轍手の男は、夜勤の際に、仕事場から船で渡ってきた男が相棒を殺す場面を目撃する。犯人は相手を海に投げ込むが、相手はカバンを海に投げ込んでしまったのだ。転轍手は後にそのカバンを探ってみると、中に大枚のポンド紙幣。小心で安月給乍らつましい生活を過ごしてきた男は、これを機に心理に変調を来たし、以降運命の転落が訪れる。重苦しい展開であり、愚かな主人公の行動に同調はできないが、こんな事もあろうかと、次第に小説世界に引き込まれる。2023/09/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/540831
  • ご注意事項