いずれは死ぬ身

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309205212
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

著者等紹介

柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年東京生まれ。東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

141
いずれは死ぬ身、我もお前もそこの赤子も。そう思えば、逝く人にやたらと悲しまずとも、旅立つことに悲観しなくともよいではないか。身も蓋もないような話が17つ、しかしほんのりあたたまる。話に唸る度合いとしては、前半 > 後半 だったのが少し残念。ダイベックの「ペーパーランタン」の炎。パロウズのジャンキーは最期に惚けて笑い、ガーダムの意地悪な女達は、我に返ると素敵で笑い泣き。「スリ」のどうしようもない蜘蛛とのやり取りに溜息が出るほど没頭して...、あら、さすがのトム・ジョーンズ。柴田先生、ごちそうさま。2019/01/28

keroppi

78
いずれは死ぬ身と分かっていても、少しは陽気に生きたいな。糖尿病で足を切られたっていいじゃないか(「スリ」)、100歳になったら、すべてがもう一度はじまるのだ(「準備、ほぼ完了」)。コミック2編もいいな。オースター「ブラックアウツ」は、こないだ読んだ「幽霊たち」の戯曲だった。こっちが前に書かれたみたいだけど、「幽霊たち」読んでたから楽しめた。2021/02/03

ずっきん

72
トム・ジョーンズの「スリ」目当て。舞城さん訳の「PICK POCKET 」もよかったけれど、翻訳としてはこっちのが好み。あーあ、トム・ジョーンズの翻訳全部読み終えちゃった(悲) 「死」をテーマにしてるとはいえ、作風は幅広く、好みのものとそうでないものの差も激しいアンソロジー。バロウズとトレヴァーの作品がよかった。もうひとつのお目当てだったオースターは苦手な戯曲だったためか、まったくピンとこず残念。必死で舞台上で演じる役者さんを想像してみたけれど無理だった(笑)2019/11/04

おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ

45
子供たちの夢を見た。車に乗ってどこかへ出かけた。楽しかった。途中で車が動かなくなって、修理していると、誰もいなくなっていた。みんなの名前を呼んで、ずっと探したけれど、どこにもいなかった。そこで目が覚めた。私はすごく泣いていて、この部屋にはやっぱり誰もいなくて、しばらく天井を眺めていた。子供たちが遊びに来てくれなくなってからもう一年が経つ。きっと元気でいてくれているとは思うけど、食器棚の横に描いた子供たちの背が伸びなくて、寂しい。いつか会えるようになるその日まで、あと何回桜が咲くのかな。生きていられるかな。2018/04/08

藤月はな(灯れ松明の火)

40
アメリカ近代史をジャガイモの品種改良の歴史と擬えた爆笑が「イモ掘りの日々」が好き。『グレゴール・ブラウン』を下敷きにしたのはカフカの『変身』なんだけど、チャーリー・ブラウンがザムザなので意外と可笑しいのでいいのか、これ(笑)一方で「冬の始まる日」の作品に貫かれる虚しさと寂しさ、こんな作品を描ける作者が26歳で自殺したことに遣り切れなさを感じてしまう。「盗まれた子供」の自分の方が良く、育てられると思い込んだ女が盗んだ子供に失望し、捨てて自分は不幸だと思う身勝手さは分かるからこそ、嫌悪せずにはいられない2016/08/05

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