サラミスの兵士たち

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309205038
  • NDC分類 963
  • Cコード C0098

内容説明

スペイン内戦を舞台に、歴史の真実をめぐって静かな深い感動を誘う小説!巨匠バルガス=リョサ、スーザン・ソンタグ絶讃。数々の文学賞を受賞。

著者等紹介

セルカス,ハビエル[セルカス,ハビエル][Cercas,Javier]
1962年、スペイン南西部のカセレス県生まれ。1987年に最初の短編集『動機』を発表した後、2001年刊行の『サラミスの兵士たち』で話題を呼び、バルガス=リョサに絶讃されたのをはじめ、カタルーニャの書店組合が選ぶリブラテー賞、24カ国語に訳されて英語版では2004年度インデペンデント紙外国小説賞など、数々の文学賞を受賞して、一躍人気作家となる。1989年からは、ジローナの大学でスペイン文学を教えている

宇野和美[ウノカズミ]
1960年、大阪府生まれ。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。スペイン現代文学。1983‐89年、福武書店に勤務。1999年よりバルセロナ自治大学教育学部言語国語教育学科大学院に留学。修士課程修了。2005年より(有)イスパニカ、スペイン語通信講座講師。現在、スペイン語、カタルーニャ語の文学・児童文学の紹介・翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

79
スペインのファランヘ党の中心人物で、スペイン内戦中に共和国側に捕えられ、謎の男の存在で銃殺されずに生き延びたラファエル・サンチェス=マサスの実話をもとにしたフィクション。第1部が語り手のジャーナリストの取材活動、第2部がサンチェス=マサスに起きた出来事、第3部が謎の人物を探し出して大団円で終わる。「戦争に小説めいた話はごまんとある。それを語れるのは、語るために戦争に行ったものだけだ。ヘミングウェイの道化野郎」と言う謎の男が、いい味を出している。スペイン内戦に関しては、読むたい本が多くある。尽きないな。2021/02/19

藤月はな(灯れ松明の火)

30
暴力での弾圧が続いたスペインで避けては通れないファランヘ。そのファランヘの党に属していた作家を処刑から援けた兵士は何者なのか。チリの作家、ボローニャとハビエルの「英雄とは本能的なものである」対談はFate/zeroの聖杯問答を思い出してしまいました。そして死者を悼み続けるミラリュスがヘミングウェイを罵ったのはヘミングウェイ自身がスペイン内戦後も留まったスペイン人や戦って死んでしまったスペイン人に無関係にも関わらず、訳知り顔でスペイン内戦を飯の種にしてアメリカの基準で書き散らかした事の怒りだったのだろう。2016/07/28

鷹図

17
実在の詩人であり、スペイン初のファシストであり、内戦に勝利した陣営の大幹部でもあったサンチェス=マサス。本書は内戦終結の間際に、彼が遭遇した「集団銃殺」の逸話を偶然知った著者が、その逸話を軸に思いもかけない結末を導きだす、虚実一体の傑作小説である。語り手でもある著者のセルカスが、サンチェス=マサスの知己を訪ね、件の逸話を丁寧に検証していく過程は、謎解きの快楽のみならず、スペイン史の表から裏までをスリリングに追体験させる。ミステリーであり歴史小説であり、ある種のノンフィクションでもある。素晴らしい読み応え。2012/06/17

左脳

6
日本でも、今、この時代にこういう作品が出ないものだろうか。20世紀の戦争について、歌や物語が過去と現在を歴史として導いてくれるような。2009/06/28

Mark.jr

5
若干近現代スペインの歴史の知識がないと分かりにくい部分がありますが、解説でも引き合いに出されているシュリンクの「朗読者」のような、自国の過去の薄暗い部分を見つめつつ、それを変に加工したりせずに、あくまで実直に物語に昇華した作品だと思います。ボラーニョやフェルロシオなど、実在の作家のカメオ出演的な感じも楽しいです。2022/07/01

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