内容説明
戦中のナチス占領下から解放後の米軍占領下まで身体ひとつで時代を生き抜いたパリの娼婦の赤裸な告白!サルトルが主催した雑誌『現代』に戦争直後掲載され、作者としてボーヴォワールの名も取り沙汰された伝説の匿名ポルノグラフィー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
28
ナチス占領下のパリからドイツ、そして解放後のパリへ。その間、娼婦として戦火をくぐり生き抜いた女性の手記。「一かけらのパンのために体を売った」と語っているが、一方でポジティブな性格がそう感じさせるのか、切羽詰まった悲壮感はあまりない。むしろ、金を巻き上げるしたたかさや、自身の快楽を求めることが先行し、趣味と仕事が一体になっている生々しさがある。寡婦や失業者への苦肉の策か、売春は合法だったようで、娼婦には登録済証明書が発行され、当時の混乱の歴史が垣間見える。作者としてボーヴォワールの名も挙がったという。 2023/07/05
nranjen
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文や内容のまとまりのなさは翻訳の質ではなく、原文の質であると理解した。娼婦って色気とかエロチシズムとかなんとかいうより実際、肉体労働者なのねー。それにしても戦時戦後のフランス侵入者の移り変わりの早い事…2015/06/12