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Modern & classic
カレーソーセージをめぐるレーナの物語

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309204390
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

内容説明

それは終戦直前の一九四五年、敗色濃いナチス・ドイツのハンブルクで、ひとりの女性が若い脱走兵を家にかくまうことから始まった…。味覚が人生を変える。

著者等紹介

ティム,ウーヴェ[ティム,ウーヴェ][Timm,Uwe]
1940年ハンブルク生まれ。毛皮加工職人としての職業訓練を受けた後、大学に入学。ミュンヘンとパリで哲学とドイツ文学を修める。哲学博士。ミュンヘン在住。2001年バイエルン芸術アカデミー文学賞。2002年ミュンヘン文学賞、2003年シューバルト文学賞など多くの文学賞を受賞

浅井晶子[アサイショウコ]
1973年大阪府生まれ。京都大学大学院博士課程単位認定退学。2003年、マックス・ダウテンダイ翻訳賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みーまりぽん

26
グルメじゃないのでピンとこなかったですが、ドイツ北部などでは人気のあるカレーソーセージ(カリーヴルスト)、その発祥について諸説あるなか「僕」はレーナ・ブリュッカー夫人こそがその発明者だと、誕生秘話を聞くため老人ホームで暮らすレーナのもとに通う。80代のレーナがセーターを編みながら語り出したのは、40代のレーナとひとめぼれした20代脱走兵(となってしまった)ブレーマーとの終戦前後の27日間。カレーソーセージに辿り着くのはブレーマーを失い、出戻り夫を追い出し、独りになった物語最終盤。鮮やかにそれは発見される。2021/09/28

ソングライン

23
電車の窓に映った疲れた自分の姿に、私は老いをふと感じ、ここから先に幸福はあるのだろうかと考えることがあります。ドイツ敗戦直前のハンブルク、戦争のために、一人暮らしていた中年女性のレーナ、街の映画館でドイツ海軍の若者と出会い、最後の防衛戦に借り出される彼を愛してしまい、自宅にかくまいます。戦後、カレーソーセージの店を繁盛させた彼女の秘密とは。これが身も心も捧げる最後の恋かも知れないと青年についた嘘が切なく、失った恋の引き換えのように思い付いたカレーレシピにしびれ、一瞬の二人の再会に心暖まりました。2019/12/11

Mina

21
終戦間近のドイツ、若い脱走兵をかくまい恋に落ちるレーナの物語。そしてその事が、後に彼女がカレーソーセージの屋台を始めるきっかけとなる。恋愛にも食にもどん欲なレーナの姿が、戦争を背景に美しく逞しく描かれている。人生には、愛と食はなくてはならない、そして、ほどよい量のスパイスと。2014/06/11

kibita

18
あの人と過ごした27日間、あの時が一番幸せだった。たとえ愛はなかったとしても。台所に置いたマットレスで漂う二人。第二次世界大戦終戦直前のドイツ、ハンブルク。ある中年女性が空襲警報下で知り合い、そのまま脱走兵となり匿った、息子程年下の兵士との生活と当時のドイツ人達の事。登場人物も多彩。ホルツィンガーの料理人としての、独特のレジスタンス振りが良かった。逞しさと哀しみを含んだ、カレー粉とケチャップが混ざり合った奇跡。良かった。2022/10/25

きゅー

17
第二次大戦中の脱走兵との恋愛物語というのは新鮮味がない。しかし、スパイスとしてのカレーソーセージ発明秘話が上手に効いていて、先を知りたくなる。ウィキペディアを閲覧しただけだけど、実際にカレーソーセージは戦後ドイツで広まった料理のようで、一説によると女性がやっていたソーセージ屋台で生れたという。本作は小説だが、そうした背景のもとに味付けがされており、カレーとソーセージの偶然の出会いに向けてストーリーが展開している。そして、みずから道を切り開こうとするヒロインの意志の強さがこの物語の要になっている。2018/07/09

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