Modern & classic<br> ロサリオの鋏

Modern & classic
ロサリオの鋏

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309203980
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

内容説明

暴力が駆けめぐるコロンビアの都市メデジンで、美しい殺し屋は死に囲まれて生きてきた。鋏と銃弾、セックスと報復、快楽と苦悩の人生を。彼女は8歳で犯され、男の局部を鋏で突いて復讐したことから鋏のロサリオと呼ばれていた。中南米のスラムを舞台に、美貌の殺し屋を巡る痛ましくも美しいラブ・ストーリー。

著者等紹介

フランコ,ホルヘ[フランコ,ホルヘ][Franco,Jorge]
1962年、コロンビアのメデジンに生まれる。ロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールで映画について学ぶ。映画制作よりも小説を書きたいと思うようになり帰国。ボゴタのハベリアナ大学で文学を専攻する。1996年『呪われた愛』で国内のペドロ・ゴメス・バルデラマ小説コンクール第1位、1997年『悪い夜』で第14回ペレイラ市主催小説コンクール第1位、『ロサリオの鋏』で1999年コロンビア文化省の小説部門のスカラシップを得るとともに、翌年、スペインのハムレット国際小説賞を受ける。2002年『パライソ・トラベル』発表。ガブリエル・ガルシア=マルケスに招かれ、キューバ映画テレビ国際学園でシナリオ教室「物語の作り方」の講師を務める

田村さと子[タムラサトコ]
1947年、和歌山県新宮市に生まれる。お茶の水女子大学卒業後、メキシコ国立自治大学、スペイン国立マドリード大学に留学。帰国後、お茶の水女子大学大学院博士課程修了。1991年、同大学にて学術博士号(Ph.D)取得。ミストラル研究によりスペイン王立アカデミーチリ支部・チリ言語アカデミー外国人会員に東洋人として初めて選出される。1995年、ラテンアメリカ文学への貢献に対してセンテナリオ・アスール・ルベン・ダリーオ賞、1996年、これまでの国際的文学活動に対して第21回地球賞、2001年、第5回クルテア・デ・アルジェシュ国際詩大賞など受賞。現在、帝京大学大学院教授。著書に、詩集『深い地図』、『イベリアの秋』(第3回現代詩女流賞)、など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

107
日本ではあまり読む機会のないコロンビアの小説。ロサリオと呼ばれる破滅的な女性に恋したアントニオの切々たる想いが胸をかき乱す。ロサリオが恋しているのは、アントニオの親友のエミリオであり、アントニオはロサリオとも仲が良い。この複雑な三角関係のゆえに、アントニオは深く悩むのだ。コロンビアの第2の都市であるメデジンの麻薬戦争が背景になっており、血腥い場面も多い。ロサリオは不幸な子供時代を過ごし、生き抜くためにファムファタールになったのだ。他の南米の小説と同じように時間の処理が独特。→2016/12/03

三柴ゆよし

17
麻薬戦争時代のコロンビアを舞台に語られる女殺し屋ロサリオの愛と死の物語。ガルシア=マルケスが次代の文学を託し、バルガス=リョサが激賞する作家と聞けば、読む前から萎縮してしまう気がしなくもないが、心配無用、単純におもしろくリーダビリティの高いエンタメ小説である。とはいえ虚構と現実、過去と現在を巧みに操作するラテアメ文学の十八番は、ここでもたしかに活かされている。また愛と死の法悦を同時に与えるロサリオという女はどうやら男を喰らうヴァギナ・デンタータでもあるらしく、大事なところをおさえずには読めないのであった。2011/08/31

白黒豆黄昏ぞんび

16
コロンビアのこの時代がどういうものだったかわからなくて、軽さがラノベっぽいなあ、訳に違和感があるなあと思いながら読んだけど、あとがきを読んで納得しました。1980年代後半の若者向けの言葉で書かれたこのお話の主人公は女殺し屋。そしてコロンビアの殺し屋は日本でいうところのサムライなのだって。神話的要素も含んだラブストーリー。2014/05/22

ヘラジカ

9
物語に引き込まれ、作中の全ての人物と同じようにロサリオの重力に屈服した。所謂ファム・ファタルを中心に展開する文学の典型だが、その面白さは巧みな映画的作法のうちに集約されている。劇的な会話や、時間軸を錯綜させながらも確実且つ自然に終局へと導く優れた構成。なによりも純粋で激しい愛を語る強力な文章と、ロサリオ自身の死でさえも終わらせることの出来ない、恐ろしくも燃えるような世界にとことん魅了された。暴力とセックスの奔流、その限りなく心央に近い周縁を巡り続けるアントニオ。全ての男と同様に飲み込まれつつありながら2013/04/07

I am

5
これは名作なんだとおもう。面白かった。けれど2000年前後に出たとおもえないほど、翻訳が古臭い。「ヘソ出しルック」とか「まぶい」とか、昭和臭すぎる。けれどメキシコマフィアや今も続いてる麻薬戦争のたぐいだということはわかるから、違和感ありすぎて残念だった。これは映画にしたら面白いだろうなあ。映画を観たい!2011/06/30

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