内容説明
名訳者が語る『神曲』を読む楽しさ、面白さ。『中世の四季―ダンテとその周辺』につづく待望のエッセイ。
目次
第1部 世界文学の中の『神曲』
第2部 ダンテを触発した人、ダンテに触発された人
第3部 『神曲』の作曲法
第4部 『神曲』に「甘え」を読む
第5部 『神曲』に見られる厭うべき点
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
5
神曲が難解すぎたのでこういう本を読んでから再挑戦した方がいいのかもしれない。こちらは普通の日本人にも読み進められそうな本。2017/05/14
syota
5
著者は「神曲」の翻訳も手がけた大学教授(比較文学)。「神曲」に独善と非寛容を感じたのが私一人ではないことに一安心w。第4部「神曲に甘えを読む」、第5部「神曲に見られる厭うべき点」が特に印象的。「ダンテの神曲にはキリスト教という宗教のもとの激しい姿がはっきりと出ている」「神曲にはキリスト教の教義そのものに発する独善性にダンテその人の独善性が重なっている部分が少なくない」「キリスト者ダンテは自己正義化が強い。その点はいやな鼻持ちならぬ男だが、そんな彼の独断と偏見がこの作品を滅法面白くもしている」との記述に納得2014/12/28