内容説明
タヴィアーニ監督映画化。原作、トルストイ「神父セルゲイ」。栄誉を捨て、恋を逃れ、至上の愛を求めて、男は旅立った…。付 対談「甦るトルストイ」(島田雅彦・沼野充義)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shinya Fukuda
1
神父セルゲイは立派な士官だったが結婚直前に婚約者を捨てて修道士になる。修道士としても優秀で次々に階級を上げていくが肉の誘惑に負けそうになることがある。一度は自分の指を斧で切り落とすことで誘惑から逃れたが、病に罹った商人の娘の誘惑から逃れられなかった。高い地位と人々の尊敬を捨てて嘗て自分が子供の頃馬鹿にしていた女に会いに行く。彼女は偉い神父に恐縮するがセルゲイは自分が来たことを伏せておくようにと言い残し巡礼に旅立つ。途中、パスポートを持っていない罪でシベリアに送られる。巻末の対談は映画を中心に語られる。2022/10/08
Miyoshi Hirotaka
1
学業や仕事だけでなく、チェスやダンスまですべてに秀でる。ひとたび目標を定めるとたちどころにトップになる華麗な才能。その原動力は巨大な自尊心。それでも自分の力では越えられない壁に気づき、俗世を離れ僧侶になるが、禁欲に徹するほど肉欲は力を増し、脆いストイックさに苦しむ。ついには、聖者としての地位さえも捨て、神のしもべとして生きる求道者の物語。「光は闇に打ち勝つ」がテーマ。理想と現実のギャップに苦しむトルストイの心の葛藤を描いた作品ともいわれる。舞台をロシアからイタリアに変え1990年に伊・仏・独合作で映画化。2012/04/12
serene
1
「太陽は夜も輝く」は映画のタイトルで、原題は「神父セルゲイ」。 欲望、名声、自尊心から解き放たれたいと願い、ひたすら修行の日々を生きた神父セルゲイ。 痛々しいまでに “神”を求めた男の物語。 巻末の沼野充義氏と島田雅彦氏の対談も面白かった。 2012/01/07
ロロミ
1
これも映画観て本を読みました。随分前だけど、信仰とはとか崇高なるものとか美について考えたものでした。