ノンセンスの領域

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ノンセンスの領域

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  • サイズ B6判/ページ数 359p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309200491
  • NDC分類 104

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あかふく

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ノンセンスの「領域」はリアとキャロルにおいて達成されながら、どこか軌道を外れていくところに位置する。いくつかの階層を通る。秩序と無秩序において無秩序をひどく秩序に追うものがノンセンスだ。つまりここに二項の対立があり、この対立のゲーム的な関わりが作品を通して分析されていく。二項のもう一つは読者と作品だが、読者の位置は曖昧にされる。それは「書物は鏡である」がゆえにゲームの合理の側をどこか壊す可能性があったためだろうか。最終章で、壊す可能性のもう一項(照応ー真似ー踊り)が語られ、統一へと著者は向かう……。2014/06/21

あかふく

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ノンセンスの敵として「愛」が言われていて、それは作用としてそうだと論証されているわけだけれども、『シルヴィーとブルーノ』で「愛」を連呼して失敗しているとされたときに、では、ノンセンス克服の術として「愛」を用いるのは是か非か、ということにちょっととまどってしまう。前に感想で述べた通り論の進み方が独特なためこういうちょっと判断に困る部分がいくつかあるように見えるため、利用するときは気をつけて利用した。2012/05/29

あかふく

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キャロル、リアのノンセンスを分析的知の進み過ぎたところで起きる行き詰まりの究極として考え、それを打破する方法として「躍り」を言う本。高山宏の業績から入ったため、13章までのノンセンスに寄り添った述べ方がどのようにマニエリスムへ繋がるのか疑問だったが、14章で、13章までの述べ方は「ノンセンスを実行してみる」というやり方で、決して肯定的に述べていたわけではないのだということが分かり腑に落ちた。つまり、ノンセンスという「1たす1たす1たす1たす……」のバラバラを(単なる積分ではなく)「再―積分」するのだ。2012/05/08

毒モナカジャンボ

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リアとキャロルの作品を手がかりに、「ノンセンス」という世界観を筆致と分析で見せつける。知性の側に留まり、夢の曖昧で全体論的な広がりを廃し、デカルト的な手つきで言語をコントロール可能な素材に分解し、再構築することで無意識との闘い〈ゲーム〉を遊ぶノンセンス。レファレンスという言葉でソシュール的牢獄を脱し、一方で多義性を排した結果、愛や真実といった「情緒の言語」は空虚に物質化するかキャロルのようにノンセンスの失敗として影を揺らめかせるだけである。現代を覆う世界のノンセンス化に対し、非分析的思考=踊りの力を見る。2019/10/09

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