内容説明
東日本大震災から13年。福島、宮城、岩手、山形を訪ね歩き、その声を聞き記録した、『福島モノローグ』に連なる集大成。
目次
宮城 a speaker 2021年
宮城 an undertaker 2021年
福島 a farmer 2021年
宮城 a publisher 2021年
岩手 an adviser 2021年
山形 neighbors 2021年
宮城 a family 2021年
宮城 an announcer 2022年
宮城 a fireman 2022年
福島 booksellers 2022年
宮城 a man at home 2022年
岩手 a volunteer 2022年
宮城 a folk tale listener 2022年
福島 a folklorist 2023年
東京 a journalist 2023年
著者等紹介
いとうせいこう[イトウセイコウ]
1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ 植物生活』で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』で第35回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ベル@bell-zou
26
小学生だった。消防団で。アナウンサーで。新聞記者で。10年以上経ち振り返るあの日からの出来事。時にその言葉は不器用で拙くて。でも伝わる。後悔や辛さと虚しさ。やるせない思い。過去の災害に生かされたこと。次世代に伝えるべき教訓。その語りはこうして残すことの意味を深く考えさせる。あの凍える夜と美しい星空を思い出すにつけ寒く厳しい日々を過ごされているであろう能登へと祈らずにはいられない。あのとき、東北はもうダメかも…と思った私たちの今が、あなたたちの10年後なのです、と。どうか、生きて。生き抜いてください、と。2024/03/09
ゴロチビ
4
「福島モノローグ」を読んだからには読まねばと。十年を経たからこその声だ。人数が倍になっている。半分位過ぎた頃、自分の中に被害の軽重を比べるみたいな感覚が現れてショックを受ける。人間の幸も不幸も、比べる事など出来ないのに。この人の、この本の中での位置づけは何だろう?とつい、考えてしまったり。立場で話してる部分もあるのかなぁとか。最終的には、この15人の方達を通して見えてくる震災の傷跡には違いないのだが。a volunteer、a folkloristが記憶に残った。復興は結局、元々の地域力に依る所大なのか?2024/04/15
Yuuki Kushima
3
インタビューに答えてくださる方は、本人も3月11日の被災者なのに私は家があったから、私は家族が無事だったから、と常に謙遜され被災者であったことを無かったように語られる方が多かったと、ラジオでせいこうさんが仰っしゃられていました。あれから13年同じ境遇であったら自分もこのように語ることができるのか?と読みながら考えさせられました。2024/04/12
Hiroki
2
志木図書館 明日のために100年後のために記録を残すこと、語り伝えること。素朴に飾ることなく、暮らしのままの言葉で表現されたものほどしたたかに強いものはない・・・と信じている。対極にあるのが官僚や政治屋の語る言葉だ。普通の人々の記録にふさわしい媒体を思いめぐらしてみたら、何のことはない僕の想いは紙媒体に行きついた。アナログの温かみは人が生きることの温かみに通じる。デジタルに感情が記録されるなどはどう考えても無理がある、それこそ機械的な記録に過ぎないからだ。2024/05/06
chuji
1
久喜市立中央図書館の本。2024年2月初版。初出「河北新報・文藝」2021年9月~24年春季号の一四編と書き下ろし一編。『福島モノローグ』の続編。東日本大震災譚。村上春樹氏の『アンダーグラウンド』を思い出しました。2024/04/02