内容説明
無数に違う「愛」や「恋」が、稲穂のようにあちこちで揺れている。最果タヒが贈る、最高に自由でリリカルな、最新エッセイ集!
目次
一生じゃない好き
青春という言葉が
「わかってほしい」愛
私はいつも恥ずかしい
二度寝の代わりの朝マック
誰も知らないアニメ
資生堂パーラーでオムライス愛
言葉は悪人になったほうが書きやすい
永遠育ちの石
遠くて他人のスーパーヒーロー
さみしさの稲穂
ご挨拶2017
私未満をやめたくて
VS「今読むべき本」
普遍より最高でいて
マイ・スイート・派手
ブルベの恋 イエベの愛
愛は全部
今日も、あの歌は歌われる。
傷口〔ほか〕
著者等紹介
最果タヒ[サイハテタヒ]
1986年生まれ。詩人。2006年、第四四回現代詩手帖賞を受賞。07年、第一詩集『グッドモーニング』刊行。同作で第一三回中原中也賞を受賞。15年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で第三三回現代詩花椿賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャコタンブルー
61
「わからなさの中に世界はあって、わからなさを諦めないために言葉があると思うから」本書には何度も「わからなさ」という言葉が出てくる。わかりあえなくてもいい。わかりあう必要もない。最後まで読んでその「わからなさ」を何となく分かったような気がした(笑)。「二度寝の代わりの朝マック」「資生堂パーラーでオムライス愛」の2編の食に関する話はわかりやすくて何となく安心した(笑)。言葉の海を漂いながら、わからなさの青い空を見上げ「詩」を紡ぐ。そんな素敵な感性溢れるエッセイだった。2023/12/19
tenori
45
最果タヒさんのエッセイ(散文)集。『感情というより、反射神経で言葉を書いている感じだった』と本人が記していているように、詩人にとっての詩とは誰かを勇気づけるとか感動してほしいとか指針になるとか、そういう他者へのメッセージではなく、詩人が詩人としてありのままに生きるため、単に自らの足元を照らす蝋燭でしかない。それを隠さないところが詩人の良さだし、ある意味で多様性の先駆者。万人受けする内容ではないけれど、自分は社会不適合なのではと悩む人がいたら一度読んでみるとよろしいかと思います。詩人も大人になりました。2024/01/05
ann
33
表現方法が独特で、なかなか理解困難な考え方も多々あった。が!表題作!村〇春〇氏の最新作の感想なんだけど、これには唸ってしまった。そうか!そういう見方もできるんだ!って目からウロコ。でも大丈夫?ネタバレしてるけど🤫2024/02/24
水色系
28
最果さんの本は装丁がものすごく素敵。今回も最高オブ最高!!時に刺さりまくる文章有。以下引用:私は感情の起伏が激しくてなんでも気持ちが強まりやすく深まりやすいのだけど、最近これは「心が派手」ということなんだなと思うようになった。(P49)2024/04/14
ちぇけら
16
違う親、違う場所で育ったのだから、だれのこともわかるはずなんてないのに、ひとがあつまると、わかる。それな。という言葉ばかり飛び交うのはとても気持ちがわるくて、だから友達グループという存在が苦手、だれかを肯定するのは素晴らしいけれど、わかるなんて軽々しく口にしないでほしくて。「人は本質的に悲しい」というタヒさんの言葉はとても人を突き放しているようで実はいちばんやさしかったりする。こんなにも人は違うのに、誰かをたいせつに思う感情が〈愛〉というひとことで表される違和感、世界、もっと他人に興味をなくしてください。2024/03/17